クラブハウスに着くと、昨夜から泊まってこれまた両日漕ぐ遠方からの後輩が朝ごはんを食べていた。一緒に支度して三人で出かけることにする。
久しぶりの自艇で緊張する。沈しても良いようにしっかり上を着ておく。今日は暑くなりそうだけど、濡れればまだまだひんやりする時期。
ヨットの横から三人で軽快に滑り出し、さくさく漕いで諸磯の灯台を目指す。風はなく静かな海でも、何かうねりが伝わってきて、隠れ根に白波が立つ。これが瀬戸内とは違うなあ。
三崎の堤防を回って一段、長津呂崎を回ってさらに一段、うねりによる波が上がる。だいぶ三浦の海に育てて貰ったなあと思いながら安房崎まで漕ぎ通してそこで休憩に手を留めた。
すると向こうからカヤックが二艇やってくるのが見える。一艇はスキンカヤックだ。勇んで挨拶をし、「漕いでますよー」というと「嬉しいねえ」と返してくれた。「雨崎までいってきまーす」と言って別れた。
安房崎から横瀬島までは一直線に渡る。少しずつお尻に水が沁みる浸水センサーに気を揉みながら漕いだ。なぜか左に寄せられる流れが気になった。
ちょっと向かい風。北東が吹いてる。横瀬島の風裏に入って、スポンジで水を抜く。何回かやればあらかた抜ける。最初たまるまでは帆布の内側が水をある程度吸うので少し時間がかかるが、帆布が水を保ち切ってしまうと二回目はもっと早い。それぞれ二時間と一時間ちょいと行ったところか。もう一度重ね塗りしておこう。
思ったよりも北東の風が強く、無理して雨崎まで行くこともないねと、剣崎から東京湾を一望して引き返す。遠方からの後輩は、小網代から下田までの弾丸ツアーを漕いだことがある。今日初めて小網代から剣崎まで漕いだということで、これで相模湾がつながった。下田から石廊崎までのちょこっとが残ってるけど、ほぼ相模湾制覇。おめでとう。
剣崎での折り返しの休憩時、筋トレ後輩は目をつぶっていたそうだけど、ぐんぐん房総半島の先に向かって真っ直ぐ流されていった。僕ら二艇は動かなかったのに、なにか変な流れに乗っていたのか、舟が行きたがっていたのか、真っ直ぐの方向で背中がみるみる小さくなっていった。ふと離れたことに気づいて舟を回し始めたので、それを合図に帰り道を漕ぎ始めた。
どこであがるかは筋トレ後輩任せ。適当についていく。毘沙門の浜であがるか、潮が低いので東側は諦めて反対側にするか、結局どこもよらず安房崎までつき、大先輩のツアー組はどこで昼にするかと思案する。出すもの出すのに浜にあがりたいというので赤羽根海岸に向かって入っていくと、向こうから大先輩のツアー組も見えてきた。数えると12艇いる。大船団だね。それで合流してお昼にし、あとは一緒に行動してたらたらと漕いで舟をあげた。
ツアーでしばらく他の場所を漕いでから三浦に戻るとあらためてその良さに驚く。景色が良いのは勿論だけど、風がなくて良い海況でもなにかしら渋い海域があり、それを漕いでいることで対応力がついたと思う。それでいて西伊豆や外房と違って漕げないほどの海況というわけではなく、海にでられる日も多いい。カヤック天国のどまんなかにベースを構えてくれてほんとうにありがたい。
これからはどんどん暑くなる。濡れる練習も本番だ。カヤックがますます楽しい。
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