小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2026年5月9日土曜日

20260509 - 10 大角鼻 - 堀江海岸

5/9 大角鼻から堀江海岸まで

昨夜はいい具合に風も落ちて結露も少なく朝を迎える。今日は少し長めに漕ぐ。前半は風、潮ともに背中を押してくれるけど、後半は潮の流れが逆になる。風はそのまま強くなる。ちょっと手ごわい漕ぎになるかもしれないなあと、コックピットに行動食を多めに入れておく。

砂浜には猫の足跡が点々とついて、舟の周りをウロウロしていたらしい。かわいいけれど、食べ物を外に出しておくと袋ごと破かれるから侮れない。

支度をして浮かぶ。鼻をぐるりとまわりこんで岸沿いに南南西に下っていく。なんだか安心して漕げる海だ。途中で休憩に上がった浜ではわきに道の駅があり、うどんが食べられるかと売店に行ったけど11時前のことでお店は準備中だった。ここまで結局一度もうどんを食べられず。うちに戻ってからはなまるうどんを食べるとするか。かわりにお土産物を買って隙間の空いたハッチにおさめる。途中の仕事がここで一つ済んでありがたい。

おそろいのスカートを履いた若い女性に手を振られながらまた海の上に。すぐに鹿島が見えてきた。本土との間を漕ぐか、広い方を抜けるか、大先輩は狭い本土側を漕ごうと言った。潮はもう向かいに流れていて、それが潮波を立てている。そこにざぶりと入って何回か波に乗れた。楽しい。みんな流れに負けずに抜けてきて、あとは向こう正面に見える目的の浜を見据えて淡々と漕ぐ。

風は少し向きを変えて、フォローと言うより右手側から常に吹く感じになってきた。右に右に向きたがる舟をおさえながらみんなわしわしと漕ぐ。早くつきたいような気もするけれど、浜が近づくとしんみりしてくる。並木の間に大先輩の車の屋根が見えた。紛れもないゴール地だ。元気な後輩からは「もう終わりなの」と冗談まじりの本音の声。最後はみんなで一緒に浜にバウをすりあげ、無事漕ぎの行程を終えた。


あとは現代社会にもどる儀式。荷物を片付けて車に積み込み、風呂を探してさっぱりとする。お風呂は道後温泉に入りにいった。そこで食事も取る。やっとこさうどんにありつけた。伊予うどんというらしい。ふわふわと柔らかめなうどんが優しい。

そうして人心地がついたらあとはどしどし帰るだけ。高速から垣間見える海を見ては、漕いできた記憶から島を見つけたり、山を見つけたり。うどんを食べそこねた山田海岸もうしろに過ぎて、また淡路島を抜けて神戸までついた。そこで一晩、元気な後輩の家で一泊させてもらえることになっている。大先輩も一発で三浦まで帰るのはさすがにしんどかろう。車を駐車場に入れたら街に繰り出して、学生街の若い声にまじって居酒屋でツアー漕ぎ終わりの祝杯をあげた。もちろんコークハイで。


5/10 横浜駅解散

朝早くに起きて、家の主からお茶を一杯ご馳走になり、早々に車を出す。一人残る方はなんだか物寂しいよね。まあ、三浦でまた漕ぎましょう。目立った渋滞もなく、スムーズに横浜までついて解散。明日からはツアーロスに悩まされるのだろう。


今回はうまく生活のリズムを作れて、興奮するでもなく、飽きるでもなく、毎日良く食べて良く出して良く眠れた。チャレンジではなく、暮らしに行く、それができていたように思う。

それにしても四国は旅がしやすいように感じた。今回カヤックで行った四国の海岸線を、今度は自転車で寝泊まりしながら回っていみたい。食事はその都度、土地のお店で美味しいものを食べよう。

2026年5月7日木曜日

20260507 - 08 魚島 - 大角の鼻

5/7 魚島から織田が浜まで

朝の出発に目を覚まして準備をする。なんにつけ静かな時間を過ごせた。島からは今治の海岸を目指す。昨日と違い途中に島が点々とあるので、休むにはことかかない。

10キロほど漕いで最初に寄ったのは四阪島。僕が瀬戸内を初めて漕いだときに、帰りに寄ったところ。その時は雨の中漕いで、寒い思いをしながら梶島の狭い浜にあがり、雫の垂れてくる木陰で小休止した。大先輩の「一生二度と来ないと思うよね」という言葉とともに薄暗い浜として記憶に残ってた。それが今日はピカピカに晴れて波打ち際の色も明るく南国感のある瀬戸内の海として記憶に追加された。

右手には来島海峡大橋が見えている。それが一本、二本と増えていく。風はなく、みな暑い暑い言いながら漕いでいる。次の休憩は比岐島で、集落とは反対の北側の浜に上がった。前に伯方島から真っ直ぐ南下した時は今治までほんの数キロの平市島で折り返し、四国上陸はならなかった。今回はちゃんと上陸できる。本州から四国まで本土同士がつながる。やったー。しかし、本州と北海道をつなぐのは大変そうだな。九州はやれるか。

正午を過ぎたら来島海峡から上げる潮の流れが向かい成分となり、船足が多少落ちた感じもするし、左に左に流されたけど問題ない。日本食研の変な建物脇にある綺麗な織田が浜に舟を上げた。

ひとまず干すものを並べたらまだ日が高い。歩いて 30分ほどでお風呂があるので、筋トレ後輩とさっぱりしにいく。日が暮れるまで時間はゆっくりある。仁老浜であった自転車組が今治のマクドナルドで胸焼けするほど食べて美味しかったと話していて、それに触発されてマックを食べてから浜に戻る。

明日はまだ漕げるかわからない。六時に出発できるよう支度をして、朝の予報を見て決めようということになって寝た。


5/8 織田が浜から大角の鼻まで

4時頃になるとみんなゴソゴソと起き始める。出発前は手の込んだものは作らずに、行動食に買ったものを食べておく。午前中でだいたい漕ぎ終わるので、昼ごはんをしっかりと時間をかけて食べる。その間に濡れものが昼の強い日差しで乾いていく。そういうリズムが自然とできていた。

大先輩は朝5時すぎの予報を確認して、六時出発でいこうと伝える。ところが、5時半過ぎに予報が悪く変わり、南西の風の上がりが早く強まりそうな様子に。さっさと漕ぎきってしまおうと、六時前にできるだけ早く出ようと声がかかり、皆の準備に拍車がかかる。

はやる気持ちそのままに出艇し、潮の流れに乗って大橋に向かって真っ直ぐ漕いでいく。海保の申し送りはあったのだろうか。途中、テトラの隙間から見えた浜ではSUPが四人ほど朝から練習していた。まだ8時前の朝活SUPとは優雅だなあ。横目にみながら漕いでいると、テトラの隙間から挨拶しにきてくれた。その浜の直ぐ近くにあるピンク色の建物がカフェで、仕事の前の漕ぎなんだそうだ。ええなあ。

海保の舟がでてくることもなくすんなりと大橋に近づき、そのすぐ手前の浜に上がった。潮流の信号標N3↓と繰り返しだしている。北に向かって三ノットで流れていて、それがこれから落ちていくということだ。三ノットはカヤックでてれてれ漕ぐくらい。この海況を抜けるのが今回の一番の目玉。大先輩はここまでみんなでこれて満足そうだ。橋の上の走るバイクに笑顔で腕を振っていた。

今日の残りは5キロほど。10時前には大角鼻の風裏側の浜に着くことができて、明日の松山までの35キロに向けてゆっくり過ごそう。このへんでみな、残りの食料の処理が始まる。かさばったり重かったりするものから食べる。生卵のバーゲンセールもはじまった。筋トレ後輩から一つ、二つと卵を貰い自分のメニューにトッピングする。

大先輩は自販機で缶コーラを見つけ大喜び。みんなに一本ずつくれて、自分でも焼酎、ウィスキーを次々とコークハイにして、早くも昼寝。ツアーのハイライトを無事にこなせてホッとしたのでしょう。ありがとうございます。

2026年5月5日火曜日

20260505 - 06 沙弥島 - 魚島

5/5 沙弥島から仁老浜まで

今日は荘内半島を回ったすぐの仁老浜がゴールだ。昨日の大波が嘘みたいに静か。三浦でこれだけ西風が吹いたらしばらくうねりが残るけど、瀬戸内はすぐに波風おさまって、潮にも乗って、のんびり漕いでもぐいぐい進む。

そうして最後の岬を回ったら綺麗な浜が見えた。そちらに向かって岸沿いに崖を眺めながら漕いでいく。崖の腹には綺麗な石垣が残っていて、成生岬のそれを思い出す。最近まで家でもあったのかな。

ゴールの浜はすでに賑やかで、何組かの家族がバーベキューをしている。その脇に上がらせてもらい、地べたに荷物を広げて僕らの今夜の宿り。

真上からの日差しに早めにタープを張って、夜露や漕ぎで濡れたものは乾かしてのんびり過ごす。この浜ではいろいろな人に声をかけてもらった。三世代家族連れの若夫婦からは亀の手の潮煮をお裾分けに貰い、自転車で四国を一周している二人組とは神奈川から来ていると知って話がはずみ、地元の漁師が連れた太った柴犬はアイスクリームが好物だと聞き、最後には自治体のじいちゃんがキャンプ場所の使用料を集めに来て、途中でみた石垣が空海の遣唐使の旅の安全を祈願して作られた神社の土台だと知る。ずいぶん新しい石垣に見えたけど、千年以上も前の石垣ということになるな。ほんとかな。

浜からは明日行く魚島が薄く見える。明日明後日の海況はとても良さそうだけど、その後がちょっと怪しい。まあまずは島に渡って、それから考えよう。


5/6 仁老浜から魚島まで

風がないと夜露がひどいな。まあしょうがない。濡れるのはタープが一枚だけ。すぐに乾くし楽ちん。

支度を終える頃になると、浜の人が総出でこちらを見ている。料金集めの爺さんも朝からでばってきてまだ足らないくらい話しかけてくる。自転車の二人も、車中泊で釣りをして回ってる人もみんなカヤックが出ていくのを見たそうしている。

浜でのブリーフィングは諦めて、出てから海の上でやりましょうと大先輩が言って一斉に船を出した。浜の人たちに手を振り返して、あとは魚島に向かってまっしぐらに漕ぐ。海況は静か。明後日にはまた西風が上がる予報があるが、今日明日は凪の海。漕げるときに漕いで、どこまで行くかは気にしない。

魚島までの途中にはどこにも上がるところがない。レジェンド先輩と顔の広い後輩はそういうパッドの話で盛り上がりながら漕いでいる。ドボンと浸かるにはちょっと水が冷たい。一人だったらいくらでもやりようはあるけれど、グループで漕ぐと色々憚られるしね。

段々濃くなる島影に向かって淡々と進み、11時前には島についた。右に見える赤い灯台をさらに回り込み、集落のはずれの綺麗な浜に舟を上げる。すぐそばに水場もあれば東屋もある。

舟を上げたらすぐに今後数日の行動を相談。残るは7、8、9日の3日間。魚島から松山までは75キロ。それをどう按分するか。明日は漕げる。明後日は微妙だけど、南西の風裏の岸べったりなら動けるか、というところ。明々後日は北寄りの風で、来島海峡を抜ければ追い風になるだろう。

結局、明後日の風がどうなろうとも動きやすい四国本土を目指そうということで、明日は今治の海岸を目指して30キロ、明後日は風裏だけで漕ぐつもりでそこから大角鼻まで15キロ、明々後日に松山まで残りの30キロということに決めた。あとはお天道様の気分にまかせ、今日はもう全力でのんびりするだけだ。

大先輩が売店があるにはあるというので、道を歩いて開いているか見に行く。漁港には静かにたこ壺が並んでいて、瀬戸内の島のリズムが体に沁みる。GW中だからか売店は開いていなかった。残念。東屋に引き返し、風がふくと少し肌寒いくらいの陽気で快適に過ごす。日が暮れて皆就寝。














2026年5月3日日曜日

20260503 - 04 女木島 - 沙弥島

5/3 女木島から沙弥島へ

今日も同じように朝5時半に出艇。昨日とは打って変わって風がなく、すいすいと進んでいく。とはいえそれも今日まで。明日は晴れはするものの爆風の西風が吹くとの予報で、ほぼ停滞が確定している。

浜を出て右に回り込み、高松の街を眺めながら進む。女木島は鬼ヶ島にもなぞらえられて、フェリーのつく港には鬼を模した灯標が立っている。金棒の先がピカピカ光る。

もう少し回り込んだら一旦の目標となる小槌島が見えた。凪いだ海面を段々強まる潮の流れに乗って楽々進んでいく。進むに連れて、右側に見えていた潮波の方に寄せられていくようだ。それも面白かろう。島の手前で海保のことなみが止まっていて、おそらくこっちを見ているのだろう。波に揺られながらも舟をちゃんと動かして、まとまって小槌島の南の砂浜に向かっているところを見て安心したのか、そのうち動いてどこかに行った。大先輩は声をかけてもらいたそうだった。

そうして浜に上がる。前回本州側を漕いだ時は大槌島で小休止した。大小ともに、大小逆の印を残す。

もう瀬戸大橋は見えている。今日寝泊まりする浜はその袂だ。小槌島を出ると急に四国の岸が都会になる。釣りのボートも一杯浮いている。そのうちの一つが掛かった魚をあげようと奮闘している。その釣り人二人組みの声が聞こえる距離で漕ぐ手を留めて見守る。ブリか、いやそうじゃない、と言うやりとりを何度かしたあと、サワラだと気づいた釣り人の歓声が海の上に通る。初めてだと嬉しそうに上げた魚はタモ一杯に大きくてびっくりした。そうか、この時期はサワラが本命なのか。

また漕ぎ出して坂出の街が左の引っ込んだ奥に見えてきた。するとそこから海保の舟が勢いをつけてこちらにまっすぐ向かってくる。ことかぜだ。名前からして、良く会うくりかぜの兄弟艇だね。ことなみから連絡が回ってて待ち構えてたのかなぁ。こちらの対応も素早い。ひとかたまりに集まって筏を組み、大先輩が間に立って誰何を待つ。クラブの集まりで東香川から松山まで行く、今日は瀬戸大橋の袂で上がって終わりにする、等の旨を答え、午後からは風が上がるから気をつけてと言われてそれで別れる。海保に会うとなんか得した気分になる。来島海峡あたりでもまた申し送りがあるかな。

大橋の下はまた少し潮が流れていた。それをドンブラと進んで桟橋の脇を通り、今日上がる沙弥島の浜が見えた。まだ10時にもなっていない。皆漕ぎたり無いのか手が止まりがちにタラタラ進んでいたら雨が降り出した。これも予報どおり。お天道様には敵わない。浜に上がって落ち着く場所をそれぞれ見つけ、これから強まる雨風に備えよう。


好みで二手に分かれる。浜に残り雨の中テントを張った人と、少し高台の東屋に登り、風はあるけど屋根を選んだ人。この雨も夜半からやんで、その代わり風が上がってくるだろう。時折浜の人たちが上がってきて、大橋を見ながら日が落ちるまで楽しく飲んだ。明日は停滞なので体に多少水を入れても問題なし。


5/4 沙弥島停滞

夜半、高台の東屋はだいぶ吹かれた。その分結露がなくてすっきり。初日とこの日はテントを使った。雨風が吹き込むのでタープはちょっとね。

空は晴れたけど風がまあ強く、日中はこのまま吹き続けるわけで、一日舟は動かせない。その間に大先輩は車を松山まで回送しておくというので、朝のバスに乗って浜を離れた。バス、電車、歩きで元の海岸まで戻って車に乗り、今度はそれを松山まで運転して置きにいく。そしたらまた電車等にのって瀬戸大橋まで戻ってくる。まあ、今日やっておけばゴールした日の回送時間を減らせるし、ちょうどいい。何人かは大先輩と一緒にバスに乗って坂出の街にでかける。

僕は荷物番組ということで、筋トレ後輩、顔の広い後輩と三人で浜に残った。今晩の宿りを張って落ち着いたら、朝飯からもうワインとビールを皆で美味しくいただく。


正午が近くなって散歩がてら風表に回ってみたら波の花が飛んでいた。こりゃあかん。瀬戸大橋を通る電車に乗ってみたくて、往復してみようかと思ったけど、電車は午前中止まっていたらしい。本州側まで行って運休になったら目も当てられない。乗りに行かず、荷物番して良かった。

正午くらいに坂出の街にでていた人たちが帰ってきたので、交代して僕もバスで出かける。朝一緒に御飯をした後輩二人に声をかけてみたけれど、どちらも昼寝をして出てこない。

日差しに熱を感じながら歩いてバス停まで。ここから10分くらいにあるスーパー銭湯にさっぱりしにいく。館内に入ったところで一人別行動をしていた後輩に入れ違いにばったり会う。坂出で朝ごはんを食べた後、善通寺にいってきて、それで今風呂を終えたそうだ。帰りのバスは多分一緒になるねと話して僕はお風呂に。真水で洗ってさっぱりとする。瀬戸内は冒険じゃなくて暮らしの場だ。午前中は漕いで、午後はゆっくりと暮らす。お店でご飯を食べるのもいいし、風呂が手頃な場所にあればさっぱりすればいい。

お風呂から出てバスの時間まで隙間を縫って本場の讃岐うどんが食べたい。少し歩いたところのセルフサービスのお店が良さそうだと歩いていったら入口の外にまで列が並んでいた。これは時間が間に合わないな。諦めて横のローソンで海苔弁を買って表で食べた。コロッケおいしい。

後輩と一緒にバスに乗って浜に戻った。あとは大先輩だけだ。日が暮れそうな六時くらいに大先輩が戻ってきて、お土産にビールとどら焼きを貰った。早速ビールを開けて飲んでしまう。どら焼きはどこかの行動食にする。これで皆揃った。明日は漕げる。



2026年5月1日金曜日

20260501 - 02 山田海岸 - 女木島

 5/1 から 5/10まで10日間、瀬戸内の四国側を小豆島あたりから松山まで漕ぐツアーに参加する。一昨年には同じ海域の本州側を漕いだ。今度は南側で点をうち線に繋いでいく。昨年はもろもろあって下関から関門海峡を抜けて宮島までいくツアーに参加できなかったけど、今年はなんとか参加することができた。家でキャンプ飯を作ったり、公園にいってテント張りの練習をしたり、準備と体調を整えていざ出発!


5/1 横浜から山田海岸まで

朝、強い雨の中横浜の待ち合わせ場所に行くともう大先輩の車がついている。開いた乗り口の前に傘を差して立つ人の足元を見ると綺麗にしている。参加者とは思えない。屋根の上にたくさんの舟を積んで珍しいと声でもかけてきたかなと思いながら寄っていくと、真面目な後輩が仕事前に見送りにきてくれてた。餞別のお菓子を貰って、全員がそろったら後輩に見送られて車がでていく。

今回の参加者は大先輩、レジェンド先輩、お堅い後輩、顔の広い後輩、筋トレ後輩、刺客後輩に僕の七人。190kmを超える行程でも安心していける顔ぶれだなと思った。

人と舟と荷物を積んで車は強まる雨の中を神戸に向けて走る。途中で雨は止んだけど、今度は風が強くなり出した。淡路島に渡る橋の上では車が左右に揺られる。速度を落として気をつけながら走って、大先輩はとてもお疲れだろう。雨の後の晴れた強風の中、鳴門の潮を下にみながら四国本土に初上陸。瀬戸内を漕ぐでなかで、愛媛や香川の島には上がったことがあったけど、本土は初めて。

徳島から香川に入ってすぐのところでいよいよ出発の海岸。その手前のスーパーで買い出しを終えて海岸に車を止めた。まだ日のあるうちにつけた。早速外に出てテントを張る場所を、と思ったけれど風が強すぎて無理。デカめのテントがすでに立っていたが強風に押されてぐいぐい撓んでいる。僕らは海岸に張るのを諦め、駐車場の建物のわきに何張りか、数人は車の中で落ち着いた。


5/2 山田海岸から女木島まで

潮の流れに乗るために日の出とともに出艇する。そのため、舟は昨日駐車場についた段階で下におろしておいた。風が強くて浜には置けなかったけど。なのでそのまま駐車場でパッキング、支度を終えて皆で最大級に重い舟を波打ち際まで運ぶ。一艇に四人がかりだ。それでも重い。それが嬉しい。並べた舟に集まって大先輩からブリーフィング。初日は 30km 先の女木島を目指す。昨日の風が弱まりながらも残っていて、潮も途中で逆になる。さてどうなるか。

漕ぎ初めて10キロ、二時間ほどしたか、休憩で浜にあがろうとしたときに、舟を持ち上げようとしてレジェンド先輩が尻餅をつく。そういえば、いつも先に漕いで行ってしまう先輩が今日は大先輩と一緒に後ろでおとなしい。少し寂しいなあと思いながら浜を出て少し漕ぐと、大先輩が後ろから「トラブルですー」と声を上げる。

皆で集まるとレジェンド先輩のハッチから水が入ってだいぶ舟が低い。ボリュームが少なめの舟にドライバッグに入った荷物がパンパンなので、沈む心配はないけど重くなってて舟足が上がらない。五キロほどそのまま漕いで浜にあがり、水を抜いて荷物を積み分け、先輩のハッチにはパドルフロートを膨らませたり、クローズドセルの寝る時のマットを詰め込んだりで安全を確保する。

そうして漕ぎ出した先輩の舟はしっかりと浮いて水の入りは心配なくなった。軽くなった舟ではあるけれど、先輩は申し訳なさそうにペースを合わせて後ろをキープしている。舟、重くなかったですか?と漕ぎながら聞くと、「僕は普通に漕いでるのにみんながどんどん先に行くんだよね。必死に漕いでやっと一緒だから、なんだか体の調子が上がらないなあと思ってた」由。いやいや、水入った舟なら尻餅つくのも納得だし、それでここまでペロリと漕いできたなんて、寂しく思ったのがひっくり返った。まだまだ敵わない。

これで落ち着いたかと思いきや、今度は風がおさまらない。どころか少しずつブローが上がり始める。進めないほどではないけど、潮の流れも反転しかけている時間で、これから先が思案されるところで鎌野漁港の手前の浜に休憩に上がった。

左から時折「ぼう」と吹く風の上がり下がりを感じながらしばし相談。女木島まで予定どおりいくとしたらあと 10キロ。今いる浜は気持ちがいい。結局、あと数キロ漕いで竹居の浜までいってその先の様子を見ようということでまた水の上。

ジリジリ漕ぎ上がって竹居の浜の先の岬をまわると向こうに女木島が見えた。風も気持ちおちついて、こうなると止まらない。大先輩がエディを探して先導する後を漕いで長崎の鼻の岩壁にとりついた。あとは女木島まで数キロわたるだけ。風はだいぶ落ちて、潮の流れもフェリーグライドになるだろうと、揚々と漕ぎ出す。実際は向かい潮の要素も多く、3キロ渡るのに一時間半かかったけど、元気に女木島の浜に上がった。

売店があるのでみんなで見に行くと 600円で生ビールが売っている。初日の漕ぎは一番うまい。それで乾杯したらあとは食事やらテントを張るやら濡れものを干すやらしてそれぞれが過ごした。

大先輩は相変わらずのノンテントスタイルだ。僕は夜露と虫だけはなんとかしたいと、タープの下に蚊帳を張ってみた。雨が降らない限り、今回のツアーはこれで行ってみようと思う。いよいよ始まった今年のGWツアー、やったるでー。


2026年4月12日日曜日

20260412 ノンテントスタイル

ここのところ肩を痛めていた筋トレ後輩が久しぶりに漕ぎにくるというので一緒にでかける。僕は GW のツアーに向けて、シェア艇の確認とテント用のロープ張りの練習をしたい。

ペースものんびりでいいでしょうというので、でかけるのも支度もゆっくりと時間を過ごす。そうしているうちに雰囲気イケメンの後輩も青ラインの不知火をだして一緒に入江に浮かんだ。

後輩二人は今年初めての漕ぎだという。桜も終わるまであっというまに日が過ぎた。ゆっくり荒崎まで往復できればという話だったけど、二人とも結構ペースが上がる。あっさりと荒崎までついてしまい、正午まではまだ時間がある。

それなら岸沿いにのんびり戻ろうと二人に声をかけ、実際の狙いは佃の波。ゆったりとしたうねりが入っていて期待できる。果たして三本ほどしっかりと遊ばせてもらった。二人は少し沖で浮いて待っている。これ以上は申し訳ないなと思ったところで洋物の舟を乗り継いでいる先輩が沖を荒崎に行くのが見えた。筋トレ後輩が追いかけようという一声で動き出す。

荒崎の先端で四人が合流し、少し話し込んだらまた漕ぎたくなる。南の俺の浜を目指し、まっすぐ漕いでいく。正午の鐘を聴きながら俺の浜に滑り込んだ。そこで荷物をだし、昼ごはんを食べたら僕は練習の時間、後輩二人は昼寝の時間、先輩は早上がりで舟を出して帰って行った。


太陽の熱を感じながら砂浜にペグを打ってパドルを立てて蚊帳の網を吊る。GWのツアーでは露天で寝るのに挑戦してみようと思う。でも虫だけは苦手なので網は必要。もちろん雨の準備にテントは持っていくけれど、大先輩のノンテントスタイルに近づけるのかを今年のテーマに、ツアーに参加しようと思う。

ひとしきりやって気が済んだら、後輩二人が起きてきた。南風がだいぶ上がってきた。明るいうちにと湾内に引き返して舟をあげた。


2026年3月28日土曜日

20260328 花を見て水を見て風を見て車を見て

 大先輩のツアーが走水まで漕いで桜をみようというもの。自分もかねてより、自分で漕いで走水の桜を見に行きたいと思っていた。よく自転車で出歩いていた頃、馬堀海岸から南に走って古いトンネルを抜けると、満開の桜とその向こうに広がる海に目を奪われた。散る花びらに突っ込んだ景色が残っている。

あまり自転車で遠出をしなくなったけど、今度はカヤックでその桜を見にきたいと温めていたプラン。分割艇で出るために朝イチで動いた。それで野比の部屋について見渡すと、カートがない。思考がとまるとはこのこと。あきらめるか、大先輩にツアーに向かう車でピックアップしてもらうか、無理やりに頭を回して選択肢を出していく。結局は腹を括って全部かついで浜まで持っていくことにした。分割艇なのだからそれができる。当然だ。


一切合切を背負って道を歩き、浜について芝生で艇を組み立てる。部屋の前でやるか、ここでやるかの違いだけで、時間は同じはずなのだけど、なぜかいろいろ手間取って舟を出すのがだいぶ遅れた気持ちになる。

帰りにまた全部かついて戻るのは億劫だけど、逆にこれができたらおでかけのハードルがまた一段下がる。いざという時も、どこでも舟を畳んで電車に乗れると安心感にもつながる。そんな言い訳を自分にしながらパドルを回して久里浜の堤防を北に回り込む。右から金谷からのフェリーが見えたので少し待ち、オオツカネの浮標についたらそこからタタラ浜を直線で目指す。この辺からホンダワラみたいな海藻が水面を凪いでるのが増える。東京湾は水が豊かだなあ。

タタラ浜についたけど、浜は空っぽで白くピカピカしてる。大先輩はどこから舟をだすのかなと見回していたら、オレンジのカヤックを積んだ車がスピードを落とさず右に消えていった。観音崎から出すのだろうと先に進んで観音崎の浜に舟を上げた。

駐車場に歩いていくと舟をおろして支度をしているツアー組に合流できた。挨拶をして舟を浜まで運ぶ。そうして総勢八艇ほどが東京湾に浮かぶ。ここから走水まではすぐだけど、なんだか漕いでいて楽しい場所。橋をくぐって走水の漁港に滑り込むのは旅に来た感がある。

まだ三分咲きかなという桜を見ながら公園のはじまで漕いで舟をあげ、公園に入って桜を見あげるように陣取る。二本ほどあるだいぶ咲いた桜の木を向こうに見ながらコンクリの壁に背中をあずけ、ぽかぽかしながらお昼を食べる。ちょっと立って咲いた枝の下までいき、振り返ると花の向こうに松の緑と海空の青。これこれ。

昼を終えて舟に戻る。旗山崎を回るところのキラキラの砂浜は水が綺麗。南国感をたっぷり味わう。東京湾側はタタラ浜、燈明堂、ここといい水の色を楽しめる場所がたくさんある。花の色、水の色を見て、うきうきしながら漕ぐ。

とはいえ午後からは南風があがる予報で、旗山崎をまわると向かい風をしっかりと感じる。大先輩が心配してくれて一緒に車で帰れますよと声をかけてくれた。ありがとうございます、タタラ浜でどうするか決めます、と言ってサクサクとみんなで漕いで行く。


観音崎を回り終えて南を向くとまあいけそうな風と波。ここで小休止のみんなに挨拶をしてソロで久里浜の端を目指して漕いで行く。風はあるけど進みは早いようだ。これはもしかして下潮に乗れてるのかもしれないと思いながらすいすい漕いでオオツカネをまた過ぎる。フェリーは見えないのでそのまま通過し、久里浜の堤防の先に浮いている黄色いブイまでついた。ブイの側で舟を止めると、結構な南風を感じるのに舟はブイのそばから動かない。その分潮が風に向かって押してくれてるんだなあ。

さて、気を引き締めて潮波にまっすぐ乗って堤防の端を越える。向かい波を受けながらちょっと進んで堤防の南に出たら、堤防から離れたところを向こうのテトラに向かって漕いで行く。だいぶ三角波でゆられる。南風はここがいちばんのやっかいどころで楽しい。ほいほいとテトラの内側にすべり込んだら一安心。大先輩に携帯で居場所を連絡し、あとはのんびりと漕ぐ。

途中、海岸沿いの道路でクラクションが聞こえた。見上げると大先輩の車が通り過ぎていった。またパドルを上げて返事を返し、そのまま進んで出発した浜に舟をあげた。ちいさいけど一つの旅を無事に終えた満足感がある。あとは舟をバラして、また担いで、部屋まで戻って片付けて、お家に帰るまでが旅行です。あー、楽しかった。海辺の桜は花が咲くのが遅めなのか、来週もまた楽しめそうだ。