小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2026年5月3日日曜日

20260503 - 04 女木島 - 沙弥島

5/3 女木島から沙弥島へ

今日も同じように朝5時半に出艇。昨日とは打って変わって風がなく、すいすいと進んでいく。とはいえそれも今日まで。明日は晴れはするものの爆風の西風が吹くとの予報で、ほぼ停滞が確定している。

浜を出て右に回り込み、高松の街を眺めながら進む。女木島は鬼ヶ島にもなぞらえられて、フェリーのつく港には鬼を模した灯標が立っている。金棒の先がピカピカ光る。

もう少し回り込んだら一旦の目標となる小槌島が見えた。凪いだ海面を段々強まる潮の流れに乗って楽々進んでいく。進むに連れて、右側に見えていた潮波の方に寄せられていくようだ。それも面白かろう。島の手前で海保のことなみが止まっていて、おそらくこっちを見ているのだろう。波に揺られながらも舟をちゃんと動かして、まとまって小槌島の南の砂浜に向かっているところを見て安心したのか、そのうち動いてどこかに行った。大先輩は声をかけてもらいたそうだった。

そうして浜に上がる。前回本州側を漕いだ時は大槌島で小休止した。大小ともに、大小逆の印を残す。

もう瀬戸大橋は見えている。今日寝泊まりする浜はその袂だ。小槌島を出ると急に四国の岸が都会になる。釣りのボートも一杯浮いている。そのうちの一つが掛かった魚をあげようと奮闘している。その釣り人二人組みの声が聞こえる距離で漕ぐ手を留めて見守る。ブリか、いやそうじゃない、と言うやりとりを何度かしたあと、サワラだと気づいた釣り人の歓声が海の上に通る。初めてだと嬉しそうに上げた魚はタモ一杯に大きくてびっくりした。そうか、この時期はサワラが本命なのか。

また漕ぎ出して坂出の街が左の引っ込んだ奥に見えてきた。するとそこから海保の舟が勢いをつけてこちらにまっすぐ向かってくる。ことかぜだ。名前からして、良く会うくりかぜの兄弟艇だね。ことなみから連絡が回ってて待ち構えてたのかなぁ。こちらの対応も素早い。ひとかたまりに集まって筏を組み、大先輩が間に立って誰何を待つ。クラブの集まりで東香川から松山まで行く、今日は瀬戸大橋の袂で上がって終わりにする、等の旨を答え、午後からは風が上がるから気をつけてと言われてそれで別れる。海保に会うとなんか得した気分になる。来島海峡あたりでもまた申し送りがあるかな。

大橋の下はまた少し潮が流れていた。それをドンブラと進んで桟橋の脇を通り、今日上がる沙弥島の浜が見えた。まだ10時にもなっていない。皆漕ぎたり無いのか手が止まりがちにタラタラ進んでいたら雨が降り出した。これも予報どおり。お天道様には敵わない。浜に上がって落ち着く場所をそれぞれ見つけ、これから強まる雨風に備えよう。


好みで二手に分かれる。浜に残り雨の中テントを張った人と、少し高台の東屋に登り、風はあるけど屋根を選んだ人。この雨も夜半からやんで、その代わり風が上がってくるだろう。時折浜の人たちが上がってきて、大橋を見ながら日が落ちるまで楽しく飲んだ。明日は停滞なので体に多少水を入れても問題なし。


5/4 沙弥島停滞

夜半、高台の東屋はだいぶ吹かれた。その分結露がなくてすっきり。初日とこの日はテントを使った。雨風が吹き込むのでタープはちょっとね。

空は晴れたけど風がまあ強く、日中はこのまま吹き続けるわけで、一日舟は動かせない。その間に大先輩は車を松山まで回送しておくというので、朝のバスに乗って浜を離れた。バス、電車、歩きで元の海岸まで戻って車に乗り、今度はそれを松山まで運転して置きにいく。そしたらまた電車等にのって瀬戸大橋まで戻ってくる。まあ、今日やっておけばゴールした日の回送時間を減らせるし、ちょうどいい。何人かは大先輩と一緒にバスに乗って坂出の街にでかける。

僕は荷物番組ということで、筋トレ後輩、顔の広い後輩と三人で浜に残った。今晩の宿りを張って落ち着いたら、朝飯からもうワインとビールを皆で美味しくいただく。


正午が近くなって散歩がてら風表に回ってみたら波の花が飛んでいた。こりゃあかん。瀬戸大橋を通る電車に乗ってみたくて、往復してみようかと思ったけど、電車は午前中止まっていたらしい。本州側まで行って運休になったら目も当てられない。乗りに行かず、荷物番して良かった。

正午くらいに坂出の街にでていた人たちが帰ってきたので、交代して僕もバスで出かける。朝一緒に御飯をした後輩二人に声をかけてみたけれど、どちらも昼寝をして出てこない。

日差しに熱を感じながら歩いてバス停まで。ここから10分くらいにあるスーパー銭湯にさっぱりしにいく。館内に入ったところで一人別行動をしていた後輩に入れ違いにばったり会う。坂出で朝ごはんを食べた後、善通寺にいってきて、それで今風呂を終えたそうだ。帰りのバスは多分一緒になるねと話して僕はお風呂に。真水で洗ってさっぱりとする。瀬戸内は冒険じゃなくて暮らしの場だ。午前中は漕いで、午後はゆっくりと暮らす。お店でご飯を食べるのもいいし、風呂が手頃な場所にあればさっぱりすればいい。

お風呂から出てバスの時間まで隙間を縫って本場の讃岐うどんが食べたい。少し歩いたところのセルフサービスのお店が良さそうだと歩いていったら入口の外にまで列が並んでいた。これは時間が間に合わないな。諦めて横のローソンで海苔弁を買って表で食べた。コロッケおいしい。

後輩と一緒にバスに乗って浜に戻った。あとは大先輩だけだ。日が暮れそうな六時くらいに大先輩が戻ってきて、お土産にビールとどら焼きを貰った。早速ビールを開けて飲んでしまう。どら焼きはどこかの行動食にする。これで皆揃った。明日は漕げる。



2026年5月1日金曜日

20260501-02 山田海岸 - 女木島

 5/1 から 5/10まで10日間、瀬戸内の四国側を小豆島あたりから松山まで漕ぐツアーに参加する。一昨年には同じ海域の本州側を漕いだ。今度は南側で点をうち線に繋いでいく。昨年はもろもろあって下関から関門海峡を抜けて宮島までいくツアーに参加できなかったけど、今年はなんとか参加することができた。家でキャンプ飯を作ったり、公園にいってテント張りの練習をしたり、準備と体調を整えていざ出発!


5/1 横浜から山田海岸まで

朝、強い雨の中横浜の待ち合わせ場所に行くともう大先輩の車がついている。開いた乗り口の前に傘を差して立つ人の足元を見ると綺麗にしている。参加者とは思えない。屋根の上にたくさんの舟を積んで珍しいと声でもかけてきたかなと思いながら寄っていくと、真面目な後輩が仕事前に見送りにきてくれてた。餞別のお菓子を貰って、全員がそろったら後輩に見送られて車がでていく。

今回の参加者は大先輩、レジェンド先輩、お堅い後輩、顔の広い後輩、筋トレ後輩、刺客後輩に僕の七人。190kmを超える行程でも安心していける顔ぶれだなと思った。

人と舟と荷物を積んで車は強まる雨の中を神戸に向けて走る。途中で雨は止んだけど、今度は風が強くなり出した。淡路島に渡る橋の上では車が左右に揺られる。速度を落として気をつけながら走って、大先輩はとてもお疲れだろう。雨の後の晴れた強風の中、鳴門の潮を下にみながら四国本土に初上陸。瀬戸内を漕ぐでなかで、愛媛や香川の島には上がったことがあったけど、本土は初めて。

徳島から香川に入ってすぐのところでいよいよ出発の海岸。その手前のスーパーで買い出しを終えて海岸に車を止めた。まだ日のあるうちにつけた。早速外に出てテントを張る場所を、と思ったけれど風が強すぎて無理。デカめのテントがすでに立っていたが強風に押されてぐいぐい撓んでいる。僕らは海岸に張るのを諦め、駐車場の建物のわきに何張りか、数人は車の中で落ち着いた。


5/2 山田海岸から女木島まで

潮の流れに乗るために日の出とともに出艇する。そのため、舟は昨日駐車場についた段階で下におろしておいた。風が強くて浜には置けなかったけど。なのでそのまま駐車場でパッキング、支度を終えて皆で最大級に重い舟を波打ち際まで運ぶ。一艇に四人がかりだ。それでも重い。それが嬉しい。並べた舟に集まって大先輩からブリーフィング。初日は 30km 先の女木島を目指す。昨日の風が弱まりながらも残っていて、潮も途中で逆になる。さてどうなるか。

漕ぎ初めて10キロ、二時間ほどしたか、休憩で浜にあがろうとしたときに、舟を持ち上げようとしてレジェンド先輩が尻餅をつく。そういえば、いつも先に漕いで行ってしまう先輩が今日は大先輩と一緒に後ろでおとなしい。少し寂しいなあと思いながら浜を出て少し漕ぐと、大先輩が後ろから「トラブルですー」と声を上げる。

皆で集まるとレジェンド先輩のハッチから水が入ってだいぶ舟が低い。ボリュームが少なめの舟にドライバッグに入った荷物がパンパンなので、沈む心配はないけど重くなってて舟足が上がらない。五キロほどそのまま漕いで浜にあがり、水を抜いて荷物を積み分け、先輩のハッチにはパドルフロートを膨らませたり、クローズドセルの寝る時のマットを詰め込んだりで安全を確保する。

そうして漕ぎ出した先輩の舟はしっかりと浮いて水の入りは心配なくなった。軽くなった舟ではあるけれど、先輩は申し訳なさそうにペースを合わせて後ろをキープしている。舟、重くなかったですか?と漕ぎながら聞くと、「僕は普通に漕いでるのにみんながどんどん先に行くんだよね。必死に漕いでやっと一緒だから、なんだか体の調子が上がらないなあと思ってた」由。いやいや、水入った舟なら尻餅つくのも納得だし、それでここまでペロリと漕いできたなんて、寂しく思ったのがひっくり返った。まだまだ敵わない。

これで落ち着いたかと思いきや、今度は風がおさまらない。どころか少しずつブローが上がり始める。進めないほどではないけど、潮の流れも反転しかけている時間で、これから先が思案されるところで鎌野漁港の手前の浜に休憩に上がった。

左から時折「ぼう」と吹く風の上がり下がりを感じながらしばし相談。女木島まで予定どおりいくとしたらあと 10キロ。今いる浜は気持ちがいい。結局、あと数キロ漕いで竹居の浜までいってその先の様子を見ようということでまた水の上。

ジリジリ漕ぎ上がって竹居の浜の先の岬をまわると向こうに女木島が見えた。風も気持ちおちついて、こうなると止まらない。大先輩がエディを探して先導する後を漕いで長崎の鼻の岩壁にとりついた。あとは女木島まで数キロわたるだけ。風はだいぶ落ちて、潮の流れもフェリーグライドになるだろうと、揚々と漕ぎ出す。実際は向かい潮の要素も多く、3キロ渡るのに一時間半かかったけど、元気に女木島の浜に上がった。

売店があるのでみんなで見に行くと 600円で生ビールが売っている。初日の漕ぎは一番うまい。それで乾杯したらあとは食事やらテントを張るやら濡れものを干すやらしてそれぞれが過ごした。

大先輩は相変わらずのノンテントスタイルだ。僕は夜露と虫だけはなんとかしたいと、タープの下に蚊帳を張ってみた。雨が降らない限り、今回のツアーはこれで行ってみようと思う。いよいよ始まった今年のGWツアー、やったるでー。


2026年4月12日日曜日

20260412 ノンテントスタイル

ここのところ肩を痛めていた筋トレ後輩が久しぶりに漕ぎにくるというので一緒にでかける。僕は GW のツアーに向けて、シェア艇の確認とテント用のロープ張りの練習をしたい。

ペースものんびりでいいでしょうというので、でかけるのも支度もゆっくりと時間を過ごす。そうしているうちに雰囲気イケメンの後輩も青ラインの不知火をだして一緒に入江に浮かんだ。

後輩二人は今年初めての漕ぎだという。桜も終わるまであっというまに日が過ぎた。ゆっくり荒崎まで往復できればという話だったけど、二人とも結構ペースが上がる。あっさりと荒崎までついてしまい、正午まではまだ時間がある。

それなら岸沿いにのんびり戻ろうと二人に声をかけ、実際の狙いは佃の波。ゆったりとしたうねりが入っていて期待できる。果たして三本ほどしっかりと遊ばせてもらった。二人は少し沖で浮いて待っている。これ以上は申し訳ないなと思ったところで洋物の舟を乗り継いでいる先輩が沖を荒崎に行くのが見えた。筋トレ後輩が追いかけようという一声で動き出す。

荒崎の先端で四人が合流し、少し話し込んだらまた漕ぎたくなる。南の俺の浜を目指し、まっすぐ漕いでいく。正午の鐘を聴きながら俺の浜に滑り込んだ。そこで荷物をだし、昼ごはんを食べたら僕は練習の時間、後輩二人は昼寝の時間、先輩は早上がりで舟を出して帰って行った。


太陽の熱を感じながら砂浜にペグを打ってパドルを立てて蚊帳の網を吊る。GWのツアーでは露天で寝るのに挑戦してみようと思う。でも虫だけは苦手なので網は必要。もちろん雨の準備にテントは持っていくけれど、大先輩のノンテントスタイルに近づけるのかを今年のテーマに、ツアーに参加しようと思う。

ひとしきりやって気が済んだら、後輩二人が起きてきた。南風がだいぶ上がってきた。明るいうちにと湾内に引き返して舟をあげた。


2026年3月28日土曜日

20260328 花を見て水を見て風を見て車を見て

 大先輩のツアーが走水まで漕いで桜をみようというもの。自分もかねてより、自分で漕いで走水の桜を見に行きたいと思っていた。よく自転車で出歩いていた頃、馬堀海岸から南に走って古いトンネルを抜けると、満開の桜とその向こうに広がる海に目を奪われた。散る花びらに突っ込んだ景色が残っている。

あまり自転車で遠出をしなくなったけど、今度はカヤックでその桜を見にきたいと温めていたプラン。分割艇で出るために朝イチで動いた。それで野比の部屋について見渡すと、カートがない。思考がとまるとはこのこと。あきらめるか、大先輩にツアーに向かう車でピックアップしてもらうか、無理やりに頭を回して選択肢を出していく。結局は腹を括って全部かついで浜まで持っていくことにした。分割艇なのだからそれができる。当然だ。


一切合切を背負って道を歩き、浜について芝生で艇を組み立てる。部屋の前でやるか、ここでやるかの違いだけで、時間は同じはずなのだけど、なぜかいろいろ手間取って舟を出すのがだいぶ遅れた気持ちになる。

帰りにまた全部かついて戻るのは億劫だけど、逆にこれができたらおでかけのハードルがまた一段下がる。いざという時も、どこでも舟を畳んで電車に乗れると安心感にもつながる。そんな言い訳を自分にしながらパドルを回して久里浜の堤防を北に回り込む。右から金谷からのフェリーが見えたので少し待ち、オオツカネの浮標についたらそこからタタラ浜を直線で目指す。この辺からホンダワラみたいな海藻が水面を凪いでるのが増える。東京湾は水が豊かだなあ。

タタラ浜についたけど、浜は空っぽで白くピカピカしてる。大先輩はどこから舟をだすのかなと見回していたら、オレンジのカヤックを積んだ車がスピードを落とさず右に消えていった。観音崎から出すのだろうと先に進んで観音崎の浜に舟を上げた。

駐車場に歩いていくと舟をおろして支度をしているツアー組に合流できた。挨拶をして舟を浜まで運ぶ。そうして総勢八艇ほどが東京湾に浮かぶ。ここから走水まではすぐだけど、なんだか漕いでいて楽しい場所。橋をくぐって走水の漁港に滑り込むのは旅に来た感がある。

まだ三分咲きかなという桜を見ながら公園のはじまで漕いで舟をあげ、公園に入って桜を見あげるように陣取る。二本ほどあるだいぶ咲いた桜の木を向こうに見ながらコンクリの壁に背中をあずけ、ぽかぽかしながらお昼を食べる。ちょっと立って咲いた枝の下までいき、振り返ると花の向こうに松の緑と海空の青。これこれ。

昼を終えて舟に戻る。旗山崎を回るところのキラキラの砂浜は水が綺麗。南国感をたっぷり味わう。東京湾側はタタラ浜、燈明堂、ここといい水の色を楽しめる場所がたくさんある。花の色、水の色を見て、うきうきしながら漕ぐ。

とはいえ午後からは南風があがる予報で、旗山崎をまわると向かい風をしっかりと感じる。大先輩が心配してくれて一緒に車で帰れますよと声をかけてくれた。ありがとうございます、タタラ浜でどうするか決めます、と言ってサクサクとみんなで漕いで行く。


観音崎を回り終えて南を向くとまあいけそうな風と波。ここで小休止のみんなに挨拶をしてソロで久里浜の端を目指して漕いで行く。風はあるけど進みは早いようだ。これはもしかして下潮に乗れてるのかもしれないと思いながらすいすい漕いでオオツカネをまた過ぎる。フェリーは見えないのでそのまま通過し、久里浜の堤防の先に浮いている黄色いブイまでついた。ブイの側で舟を止めると、結構な南風を感じるのに舟はブイのそばから動かない。その分潮が風に向かって押してくれてるんだなあ。

さて、気を引き締めて潮波にまっすぐ乗って堤防の端を越える。向かい波を受けながらちょっと進んで堤防の南に出たら、堤防から離れたところを向こうのテトラに向かって漕いで行く。だいぶ三角波でゆられる。南風はここがいちばんのやっかいどころで楽しい。ほいほいとテトラの内側にすべり込んだら一安心。大先輩に携帯で居場所を連絡し、あとはのんびりと漕ぐ。

途中、海岸沿いの道路でクラクションが聞こえた。見上げると大先輩の車が通り過ぎていった。またパドルを上げて返事を返し、そのまま進んで出発した浜に舟をあげた。ちいさいけど一つの旅を無事に終えた満足感がある。あとは舟をバラして、また担いで、部屋まで戻って片付けて、お家に帰るまでが旅行です。あー、楽しかった。海辺の桜は花が咲くのが遅めなのか、来週もまた楽しめそうだ。




2026年2月28日土曜日

20260228 春だ

爆風の日もあるけど、土日どちらかは良い海況の週末予報が続く。ありがたい。クラブハウスにいつもの時間の電車・バスででかける。

一人支度をして入江に浮かぶと、小道をバイクが走ってくる音がした。きっとレジェンド先輩が横瀬島を目指すのだろう。堤防を回ってスズメ島まできて西を見る。富士山のてっぺんは薄く霞んで裾野の伊豆半島は見えない。うねりがゆっくりと上下して景色が春になった。電車からみた河津桜も先週の強い風でだいぶ散った。もう二、三週間したら普通の桜が咲くだろう。

南に転じてのたりのたりと諸磯を過ぎ、堤防の端まできて手を止める。この先はまだまだ。内側の堤防のトンネルをくぐって諸磯まで戻るとレジェンド先輩がこっちに向かってくるのが見えた。コースを合わせて進路の前に入っていくと、向こうは真後ろにつけるようにして漕ぎ上がってきた。見えない位置取りにいたずら心を感じる。

追いつかれたところで話をしながらもう一度堤防の端まで一緒に漕いで、そこでお見送り。今度は網代崎まですんなり戻って大先輩の定刻組を浮いて待つ。西寄りの風で岩場に寄せられながら南を見、湾内を見つつしてしばらく待つ。そうしたら五艇のカヤックが堤防を回って北にいくのが見えた。それを追いかける。

追いかけ始めて丁度航路の真ん中あたりで電話にショートメッセージが入る。おそらく大先輩だろう。今は手を留められないからねと心の中で謝りながら渡りきり、そこで電話を開いたら果たしてそうだった。北に行く由。はいはい、見てましたがな。程なくしてグループに交じり挨拶を交わす。今日は残りは一緒に漕いでのんびりしよう。

そう思って漕いで荒崎までついて先を見る。海況は良し。あー、これは小田和湾渡るな、心の中でそう思いながら他の人の様子を伺う。果たしてそのとおり。佐島マリーナの堤防の切れ目を目指し荒崎を離れる。ソロだとまだ怖い。みんながいてラッキー。

午後の風の上がりを気にして佐島の小さい浜で昼にする。さすがに長者はまだ早い。水がもう少しぬるんで、防水の塗りをもう一枚重ねてから。


帰りは橋の下をくぐってキラキラの明るい水底を見てから荒崎を目指す。風は無いのに結構並みに揺られた。荒崎から先も真っ直ぐ小網代まで沖を進む。このあたりからは大分西の風で波が入り、パドルが水をしっかりと噛んでないと心もとない。それで自然と速度が上がる。このあたり、遅く漕ぐギアを体に作らないといけない。そんなことを考えながら漕いでたらもう堤防まで来てた。後はするりと漕いで舟を上げた。





2026年2月14日土曜日

20260214 お茶をしに

またとない予報。のんびり出かける。最寄りのバス停を降りたら大先輩が小道への入り口で手を振ってくれた。バスが見えて、乗ってるかもしれないと思って見てたのだそう。

一緒に坂道を下りてクラブハウスに着く。何でもやる先輩が支度をしていて、レジェンド先輩はすでに出たそう。

支度が済んで出ていく先輩を見送り、こちらも支度をしていると知恵者の世界を股にかける後輩がやって来た。それで揃って大先輩と三人で入江に浮かぶ。

潮が透きとおって明るい砂地がキラキラ見える。こんな日は中々ない。水の色を楽しみながらのんびりとパドルを回していく。

長津呂崎の手前でなんでも先輩が戻ってくるのに行き合う。馬の背で折り返してこれで帰るそう。こちらは進んで赤羽根沖に来ると、今度はレジェンド先輩が戻って来た。挨拶をして見送り、僕らは赤羽根海岸の浜で少し早いお昼ご飯。イソヒヨドリの鳴き声がいい陽気の浜に響く。後輩と話してる横で大先輩は暑い暑い言いながら昼寝。

少し風が南に振れたかな、というところで腰を上げて漕ぎ戻る。スルスル漕いで諸磯の灯台の下に舟を上げる。他のカヤックグループもいて、軽く挨拶して僕らは神社にお参りした。

戻ってきたら、先のカヤック一行が僕らの舟の横で話してる。寄っていったら工房で知り合った人だった。少し話してそのグループが出ていくのを見送り、大先輩がコーヒーを入れてくれた。


こんなに良い海は、明るい浜辺でだべりながらお茶するのが一番に決まってる。お腹がタプタプになるまで飲ませて貰って、残りの距離もつるりと漕いで明るいうちに舟を上げた。

2026年1月31日土曜日

20260131 平和に

 なんとか漕げそうな予報で、クラブハウスにでかける。朝の暗さに負けて寝坊し、最寄駅から大先輩の車に乗っけてもらう。ハウスにつけば、ちゃんと起きれる人たちが先に着いてて支度を始めてる。年が明けてみんなと初めて会うわけで、挨拶をかわす。


そうして支度をしたら水に浮かぶ。はからずも八艇もの集まりになってる。乾いた富士山を横に見ながら諸磯を抜け、長津呂崎を抜け、安房崎までやってきた。ここからは北東の風との真っ向勝負。強くはないけど、頑張って横瀬島まで行くほどでもない。東風崎に目標を切り替え、白く光る浜を目指して風の中ジリジリと漕いで上陸する。ちょうど正午の鐘がなってすぐついた。

日差しはたっぷりあるのだけど、ここは北東の風がよく抜ける。寒さを感じる瞬間もあったけど、総じて穏やかにゆっくりと昼食の時間をみんなで過ごした。

帰り道はさらに風が落ち、凪いだつるりとした海面がゆっくりとうねる。隠れ根で盛り上がる城ヶ島の南岸をつるりと抜けたらあとはするりと漕いで入江に戻り舟を上げた。平和な海だった。