小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ, YouTube チャンネル) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2022年5月17日火曜日

20225015 滑らかな海だけど

 先週のツアーはとてもよかった。今週はいつもの三浦にがっつり浸ろうと、筋トレ後輩と朝から出かけてきた。

支度をしようと思ったら、艇庫の天井に蜂が飛んでいた。最初見た時は、体がスマートで足が長かったから、大きいアシナガバチだなあ、くらいに思ったのだけど、よく見たらスズメバチの女王蜂だ。一段目の巣をせっせと作り始めているのが見えたから、申し訳ないけどやっつけさせてもらった。まだ小さい巣もつまみ落とすと、中には蜂の子が動いていたので、すまんけど川に流させてもらった。仕方ないけど、おまえら刺してくるからなあ。


バタバタしたけど支度を終えて、久しぶりに薄い舟を浮かべる。この軽快な感じもいいよね。まだ北風が残る中を網代崎を越えて南に向かう。長津呂までは追い風、そこから雨崎までは向かい風。

こんな薄曇りでも上がれない程度には雨崎に人がいる。野比の方角を一目みたら折り返して、北東の風浪を楽しみながら剱崎を回り込んで海況の変わりようを味わう。筋トレ後輩は荒崎まで行きたそうなので、一旦横瀬島に上がって軽く腹ごしらえ。30km を超える時は途中で何か食べるの大事。

正午を回って風が落ちていく中、後輩と二人で荒崎に向かって三浦半島を回り込んでいく。どことなく先週の海を思い出したりしながら漕いで荒崎まできた。ここから江ノ島まで、まっすぐで15kmほど。ちょうど笠戸島から尾島まで渡った距離と同じ。ほうほう。

荒崎からは岸ベタで帰る。海は凪いでツルツルした海面だけど、うねりがあってゆっくり上がり下がりする。瀬戸内海はこれがなかったなあ、なんだか落ち着くなあと思いながら小網代入江まで、日差しのあるうちに戻ってこれた。しめて36キロほど。

ツアーの準備でいろいろキャンプ道具を見ていたら、薄い舟でキャンプいけないか試してみたくなってきた。暖かい時期なら荷物のかさも少ないだろう。ULカヤックキャンプ、楽しそう。

2022年5月3日火曜日

20220503-0508 ミサコの島

久しぶりに足枷のない連休。クラブのツアーで周防灘を五泊六日で漕ぎ回る。とは言っても連休でのお出かけ。行き帰りの道路は混むだろうから、無理せず余裕をもって、本気で漕ぐのは三日ほど。それでも十分。

5/3 横浜 - 笠戸島

初日は事故渋滞に三度はつかまり、笠戸島に着いてみればもう日が変わりそう。車中も会話がエキサイトして高速を降り損ねそうになったり、買い出しのスーパーに寄るのを忘れそうになったり、笑いの絶えない道中であっというまだった。車を止めたその周りで、暗闇の中みんな適当にテントをはり、もそもそと寝袋に入って寝る。


5/4 笠戸島 - 尾島

日の出もそこそこにテントを出て海の方をみやると、海辺の道を野犬がトボトボと歩きすぎる。夜中にワンワンと聞こえていたのはこれか。朝飯をすませたら荷支度をし、重い舟を水に浮かべて入江を出ていこうとすると、道のない山の上の方から見送りの遠吠えが響いた。トボトボ歩いている姿を思えばかわいい。

この入江には石の鳥居が立ち、大明神と書いてある。これからの航海の無事を祈って手を合わせ、外に向かって漕ぎ出したら、なんだかヌメヌメと丸くて黒いものが水面を上がり下がりしているが見えた。しばらく見ていると、また出てきた拍子にプハッと息継ぎをして、ああ、スナメリなんだと気がついた。これは幸先がいいなとしばらくしたら、いよいよ漕ぎ本番。

深浦の入江から火振岬を過ぎて、今日のゴールの尾島が見えた。後ろの牛島だかに紛れて、それよりもう少し色濃い島陰。もうちょっとだけ笠戸島に沿って漕いで、適当な砂利浜であがって一休みしたら尾島への渡り。15km の距離をまっすぐ漕ぎ切った。まだ日が高く1時過ぎ。でも水が綺麗で玉砂利の浜から低い緑と青空を見たら、もうこの先漕ぐ気にはならない。そうそうに舟をあげ、それぞれがバラバラに時間を過ごす。

日が少し下がってきたら、だんだんと皆が集まってきて、プシュッと缶が開いた。こうなると時間が経つのが早い。ぐんぐん日が落ちていって、太陽が「i」の字にピカピカおりてきて、それがピリオドになって消えていった。こうなると寒くなってくる。暖かい物を食べながら、11時くらいまでベラベラと喋り通して寝た。


5/5 尾島 - 牛島 - 叶島 - 長島

今日もまた漕ぐぞー、祝島はあがれないけど、長島側に上って休憩して、その先の佐合島の瀬戸内No.1ビーチでキャンプするぞー、と意気込んで漕ぎ出した。まずは牛島に取りついて岸ベタに回っていく。トンビにしては腹が白いなと思ったら、ミサゴだ。三浦ではちょっとレアだから嬉しいと思って上を見ていたら、トンビだと思っていた鳥がみんなミサゴだった。田中美佐子が大好き、紺野美沙子もいいですね。あほな会話で牛島を回っていく。

次は叶島に着いたらここにもミサゴ。番いのようだ。人の居ない場所にはトンビも住めない。ミサゴのような自分で餌を取れる鳥しか生きれないのだろうと大先輩がポツリという。美佐子と言っていた同じ口とは思えない。

そこからまた次の島、長島に渡り、祝島を正面に見る砂浜に上がった。とてもきれいなところだ。ガンガン後輩は漕ぎたらないと見えて、皆が昼食後に皆がのんびりしている間にも鼻操島まで往復してきていた。

No.1ビーチの佐合島までは距離が有るというのに、漕ぎ始めてホンの一時間もしたら夢のような浜が岬の向こうから見えてきた。白い砂底に明るい青緑の澄んだ海。その先には手頃な広さの綺麗に湾曲した滑らかな白砂浜。入江の両端は岩場で区切られ、全てが完璧。これより上が有るのか、瀬戸内海。恐ろしい。


そうは言いながらも、あまりに魅力的な浜だったので、ふらふらと入江に入り込み、先っちょだけ上陸しようとバウを白い砂に擦り上げた。そうしたら、ちょっと様子だけ見てみようと大先輩が舟を降りた。我も我もとみんな浜に上がって、振り返り、砂浜の見事なカーブに沿った澄んだ海を見る。

ここで十分、というより、ここでキャンプしたい。この浜がいい。いや、No.1 を目指すか... 南野陽子と北川景子と浜辺美波が入り乱れてしばらく議論したけれど、今日は南野にして明日の帰り道に No.1 の浜辺を見に行くと落ち着く。直感は大事だ。

この浜の南側にしたのは夕日が見える方角だったから。ひたひたの細波だけで波音のまったくしない瀬戸内海に「iの字」の夕日が沈むのをみんなで見てから本番。夜更けまでまた話を楽しみつつ、今日は途中でキャンプしてしまったので明日の距離が少し増える。水の補給が必要か、明日の漕ぎをみんなで考えて寝た。


5/6 長島-佐合島-峨眉山-大水無瀬島-笠戸島-古島-大東半島

今日は一番漕ぐ日。今日のうちに笠戸島まで帰っておいて、明日の昼過ぎにはのんびりと帰りの車中の予定。往路の渋滞が大変だったから、余裕を持った帰り道を計画した。

朝のうちは日差しがあって暑かったけど、次第に雲が広がってきて、道中、二、三度小雨がぱらついた。飲み水が少ない中、肌寒さを感じるくらいで淡々と漕げて逆にちょうど良い。風と波は一切ない。ひたひたの内海を帰っていく。

佐合島の期待していた浜は、潮のタイミングとお日様の加減が悪かったか、自分達が通りがかった時には遠浅感が足りてなくて魅力を十分に発揮できていなかった様子。やはりキャンプにあがるなどして時間をかけて付き合わないと、瀬戸内の魅力は味わい尽くせないみたいだ。とはいえ、自分達の勘を信じて判断したのだから悔いは一切ない。昨日の僕らを褒めてあげたい。

その後は本州沿いにタラタラと。このあたりはトンビもだいぶ飛んでいる。火振岬を目指して本州から離れ、火振岬がもう少しのところまでやってきた。すると、岬の向こうから飛沫を上げて小型のボートが回ってきたかと思うと、僕らの方に向きを変えてやってきた。まとまって待っていると、そばでボートを止めて「釣りの人か?」と聞いてくれた。ツーリングをしていて、島々を回って笠戸島に帰るところだと伝えると、ガハハと笑ってこの先は潮が 1ノットほど流れてるから気をつけてと教えてくれた。気にかけてくれてありがとう。

そういえば、舟の進みが遅かったなと思いつつ、パドルも重くなった気がする。低くなるお日様を意識しながら僕らも火振岬を回り込み、笠戸島、古島、大東半島に囲まれた湾に戻ってきた。どこがいいかとウロウロしながら大東半島にとりつき、玉砂利の浜に最後のキャンプ地を決めて今日の漕ぎを終えた。

浜で寝る生活も今日までかと、暮色のます海をみんなで見ていたら、ミサゴが一羽、ミルク色の空に黒々と飛んでいた。ミサゴもだいぶ見慣れたなと目で追っていたら、突然翼をたたんでまた伸ばしてを何度か繰り返しながら、ヒラリ、ヒラリと滑らかな海に飛びんで波紋を広げた。自然に声が上がり、じっと波紋を見ているとミサゴが水から上がり羽ばたいて飛んでいった。

そういえば、今日の道中、長島で岸沿いにポツンとたつ岩の上にミサゴの巣があった。木の枝を上手に、逆三角錐の櫓の形に組んであった。ただ飛んでいるのを見慣れただけじゃもったいない。

そうして今ツアー最後のキャンプ泊も更けていく。動画を撮る後輩は、今までまとまった距離は漕いだことがなかったのだけど、今回日を追うごとにペースが上がってきて、今日は全行程をペロリと漕いだ。ガンガン後輩は相変わらず前漕ぎに集中して貪欲だ。筋トレ後輩は水の補給が気になりながら漕いでいたようで、気がつかれたのだろうか、浜に早々と寝転んで皆の話を聞きながら眠っていた。大先輩はいつになく夜遅くまで起きていて、ちょっとウィスキーを寝酒に飲んだのを合図に、みんなテントに戻った。


5/7 大東半島 - 笠戸島

今日はほんの目の前にある笠戸島に渡って全ての漕ぎを終えて陸の生活に戻る。昨日頑張ってここまで戻ってきたので、朝はのんびりできる。朝の静かな海をみながら仕舞い支度をしてゆっくり舟を浮かべた。少し岸沿いに漕いで様子を見てから笠戸島までわたり、ウルフ号が置いてある入江まで滑り込んだ。スナメリのお迎えも、野犬の遠吠えもなく、静かなゴールだった。全編、内海の平らな海を堪能できた。帰りも石の鳥居にお礼をし、舟をあげた。


ここからは街の生活に戻るいつもの手順。お風呂に入り、マスクをつけ、ラーメンを食べ、お土産を買い、車中のお荷物になる。行きと違って順調な高速道路だったとはいえ、ハンドルを握ってくれる大先輩と動画後輩には感謝しかない。今回も最後まで安全な旅を楽しめた。

カヤックに一切の家財道具を積んでウロチョロするのはたまらない。日本にはそれを受け入れるスペースが全然残っている。カヤック楽しい。


2022年4月17日日曜日

20220417 台風うねり

 なんだかクラブハウスが久しぶりな気がする。今年初めての台風うねりを期待してでかける。

今日はヘルメットをしっかり被って、これまた久しぶりな薄い舟に乗ってヨットの間を抜けていく。堤防から水平線を見ても富士山がない。のっぺりした春の書き割りの空がぺったりとあるだけ。

網代崎にはうねりこんで白く崩れている。近場のポイントにはいつもの人が入っているのでパスして舟を進める。岩場のポイントにもサーファーが何人か浮いている。もし居なくても、今日はカヤックで入ったら舟を壊す。そこをすぎたおめでたいポイントまでやってきた。ここで波遊びしている人は僕ら以外ではまだ見たことがない。台風レベルのうねりで潮が低い時に、わりと長く乗れる場所。隠れ根にたつ波なのでわりと一瞬だけど、その分すぐに波が収まるので、沈脱しても復帰がしやすい。

何本かスピード感を楽しんで遊んだら、ココイチのサイズでひっくり返される。ロールにぎこちなさを感じてビビりが入る。潮時と舟を返して大先輩のツアー組を迎えに入江の奥に戻る。

今年のGWには大先輩の遠出のツアーがある。そのための煮炊きの練習のつもりで、昼ごはんをちょっと手の込んだ支度をしてある。ツアーに同行して食べるつもり。

お客さんもメンバーも合わさって、大船団が堤防を出ていく。大先輩はうねりの様子を見て、昼に上がる場所を思案している。どんどん引きはもろにうねりが入って上がれそうにない。黒崎の鼻はちょっと近すぎるかなあ。反対方向の諸磯は周りの岩場がいかついだろう。さて、どこにあがろう。

とりあえず北にということで漕ぎ始める。ビジターの皆さんも、軽い向かい風に調子良く進んで良いペース。黒崎にはすでに三艇のカヤックが上がっていたのでもう少し漕ぐことにして、佃嵐崎のあがりやすい浜で昼ごはんにした。ちっこい後輩と房総同期がきていてはなやか。洋物先輩もずいぶんお久しぶりだ。平日時々漕いでいたようだけど、ご時世的にお仕事が忙しそうだ。

昼が済んだらまた海の上。だんだん落ち着いていく春の海を、ちょっとの追い風に少し舳先を振られながら、スズメ島と俺の浜で寄り道しながら入江に戻った。舟を上げる前、ちょっと気持ち悪かったのでロールを何回か。やっぱりしゃっきりと上がらない。それを見ていた大先輩も、なんかもっさりしてますねと教えてくれる。ちょっと水に親しんでいなかったな。まだ水は冷たいけど、日差しがあれば体は温まる。ちょっと回っていこう。カヤック楽しい。

2022年4月13日水曜日

2022-04-13 引越し前に観音崎

今日はいよいよ引っ越し本番。夕方に大先輩に車を出してもらって、冷蔵庫やテレビなど家電類をまとめて移す。

今日はとっても漕ぎ日より。夕方までは時間があるから、朝から東京湾側に舟を出した。家の前からカートを引いて浜まで降りていく。今度の家は浜まで車道の部分が少ないから、舟を繋いだままカートを引けて便利になった。

早速舟を浮かべ、テトラの内側は平らで、だらだらと久里浜目指して漕いで行く。テトラを出ると火力発電所の長い堤防が波を打ち返し、ちょっとざわついて面倒くさい海面になる。いいですね。目新しい場所だし、潮の流れも早いところ。無理せずに時間をかけて身につけていこう。

堤防を回り込むと、金谷に向かうフェリーのおしりが見えた。向こうからくる舟はない。まずは燈明崎まで渡る。

そしたら次は、鴨居をかすめてタタラ浜、そこから岸ベタで観音崎の砂浜まで。引っ越しの準備もあるから、今日はここまでにしておいて、自販機のアイスを食べてまたとんぼ返り。

帰りはずーっと岸ベタで、浦賀の湾では渡し船を見送ってからきをつけて渡る。燈明崎でもちょっと上がって、夏休み感に溢れたくさむらに入っていくと、頭からなにか泡が抜けていく気がした。

残りものんびりと漕いだらちょうど良い感じに家の浜についた。舟を洗って片付けたら、前の家に移動して、引っ越し荷物を家の外に運ぶ。隣の家で飼っている犬が、荷物を担いで前を通るたびにワンワン吠えて静かな街に響いた。大先輩の車を迎える場所で荷物を置いて、手ぶらで帰る時には吠えないけど、大きな荷物を持って出ていくときは、なんだか調子良く、何度前を通っても吠えた。

ちょうど最後の荷物を道に出し終わったところに大先輩の車がやってきた。ドンピシャ。後ろにスクーターが追いかけてきて、レジェンド先輩が一緒に手伝いに来てくれたようだ。車の中からは大先輩の他に、隠岐ノ島に一緒に漕ぎに行ったヒーロー後輩が降りてきた。三人の手伝いを得て車への積み込みが一瞬で終わり、車組は引っ越し先まで一緒に来てくれて荷下ろしも簡単にすんだ。大先輩とヒーローの二人にお礼をいって別れ、日が落ちてしばらくの間、部屋の中に持ち込んだ荷物をあちらにこちらに動かしてなんとか落ち着いたら今日の仕事が全部すんだ。

これで三浦の両側にベースができた。夏の暑い日差しの中、真っ白な走水の堤防が思い出される。東京湾楽しみ。カヤック楽しい。



















2022年4月3日日曜日

20220402 桜の咲く頃に

桜前線に気持ちが浮つくのは避けられず、そわそわするけど、身の回りも中々慌ただしくて、少しずつでも、締切のある事柄からつぶしている。

そのうちの一つが引っ越しで、中でも自艇を動かさなきゃいけない。週末で動ける日で海況が良い日なんてそうそうないから、良さそうなこの土曜は逃せない。

朝起きて舟をカートに乗せ、コロコロ引いて近くの磯の狭い浜に舟を下ろす。持ってきたカートや街着はハッチに仕舞い、引越し先に向かって漕ぎ出す。

ここから出るの、好きだったなあ。岩と岩の隙間に入り込んで、人目を気にせず支度ができた。夏でも虫もいないし。でも、近くに大きなマリーナが出来てて、これからこの辺も開発されちゃって、舟出せなくなるんだろうか。心配だなあ。

それにしても舟が重い気がする。思い返すと、前回はキャンプでシェア艇借りて乗った。荷物は満載だったけど、ここまで重かったかなあ。引越し先は20キロ以上先。まああいいか。

今日は大先輩が花見ツアーをしてるはず。合流して近場を一緒に漕いで、風が落ちてくる昼近くになったら引越ソロツアーに切り替えよう。

そうして網代崎を回り込んだら湾内にちょうど大先輩組が見えた。数えると、十艇超えるグループがこっちに向かってくる。すごーい。久しぶりの面々もいる。挨拶したり、近況を話しながらまた湾を出ていく。花見はすぐ近くの油壷で、何本かの桜が水面近くに満開だった。のんびりと浮かんで堪能したら、ゲストの皆さんはもう漕ぎたい。みんな距離を出したくてウズウズしてそうだ。

じゃあ海も良さそうだし、赤羽根でも行きますかと諸磯にでできたら、別のカヤックグループが北から油壷に入ってきた。こっちも十艇を超えるグループだ。海上散歩には最高の日だものね。挨拶をしてすれ違う。

諸磯は潮が低くて低くて、中は通り抜けられない。サザエ島の横を抜けてまっすぐ、その後も淡々と赤羽根まで来た。

ここで皆はお昼に上がる。僕は手を振ってそのまま安房崎を越えていく。途中、漕ぎたりなさそうなイケメン後輩が安房崎まで一緒に漕いでくれた。そこから先はソロで剱埼を越え、ひと気のない雨崎を越え、金田の漁港まで来たら、道の桜がとても見事で、つい吸い寄せられてスロープ脇の岩場に船を上げて桜を見に行った。

その先の、海からも見れるかと思ったけど、道は海からは少し距離が有ってむりだった。それで戻ってきたらスロープの軽トラの人が、不思議そうに波打ち際のカヤックを見にでてきた。

歩いてきた僕がカヤックの人だと気づいて声をかけてくれる。舟だけあったから、無人で打ち上がったかと気にしたそうだ。気をかけてくれてありがたい。金田で定置網をしていた漁師さんで、もう漁師仕事は終いにしたけど、廃業のときには産廃業者まで網だのロープだの、自分の軽トラで四十往復したと話してくれた。ほっぽらかして逃げる漁師も全国的に多い中、ちゃんとやったと誇らしそうで、立つ鳥跡を濁さず、気持ちいい話を聞けた。他にも年を聞かれ、答えると今が男盛りだねえとお互いニヤニヤして挨拶してまた漕ぎ出す。そう言えばさっき、小躍りして走り出す先輩に、いま引っ越ししてると話をしたら、その家使って悪さするんでしょうとニヤニヤされた。その先輩の悪さって何なのかまた今度キャンプの機会にでも、ゆっくり聞いてみたい。

さて、ここらから先はだらついた浜が久里浜の煙突までずっと続く。ゴールの浜に目星をつけ、ベタベタに凪いだ海を静かに進む。右にも左にも陸地があって、湾の中だなあ。反対側は空が霞むと伊豆半島が見えなくなるけど、こっちは房総半島がいつでも見えそうだ。渡ってご覧とカマかけられてる気がするね。

そうして引越し先の浜についた。


舟の中からカートを出して、少し短くなった距離をコロコロして家についたら、舟やら服やらを洗って片付けた。

こんどの家は東京湾、クラブでは相模湾。三浦半島両側漕ぐ構えとなって楽しみ倍増。こっち側は久里浜から猿島あたりまで漕ぎがいが有りそうな場所だ。カヤック楽しい。







2022年3月22日火曜日

20220320 - 21 春に三日の晴れなし

何年か前に、伊豆半島を二泊三日で西から東にくるりと回った。その時に大先輩が「春に三日の晴れなし」と言ったのずっと覚えている。そのときは、実は三日ともに暖かくて穏やかで、石廊崎を回るときでさえ何の苦もなく、のんびりとした当たり年だった。

今年は言い習わしのとおりに低気圧が次々にやってきて、近場の三浦でキャンプの予定で、天気、海況がどうなるかだいぶ気をもんだ。

裏を返せば荒天も続かない。二日間はなんとかなって日曜月曜でみんなでキャンプにでられることになった。

朝、最寄りの駅で大先輩の車に集合し、スーパーで一泊二日の買い出しをする。二日と言っても、夜と朝ごはんの実質二食だけ。あれもこれも買いたくなる気持ちを抑えて車に戻る。

クラブハウスで荷積みをおえて、重い舟をみんなで入江に浮かべる。食料は少ないけど、テントなどの荷物は何泊でも変わらない。パドルの重さで気持ちも切り替わる。今日は浜でゆっくりと過ごすのが目的。漕ぐ距離はほんの数キロで構わない。

とりあえずは、いつもの横瀬島を目指して漕ぎ始める。なんだかうねりが大きい。南岸近くを低気圧が通過したあとだから、風は北寄りでもうねりが残ってる。近場のポイントを堤防からの出掛けに眺めてみたら、SUP とサーファーがもうポイントに入ってる。ニセコ先輩は先に出ていて、おそらく波遊びポイントを探してあちこち日帰りで回るつもりだろう。

僕らキャンプ組は五人。南に向かって進む。うねりの影響は大きい。長津呂崎から赤羽根海岸までのいつもの隠れ根地帯はことさらだ。その先の東風崎沖の灯標あたりもそうだった。大きい落差に加え、なんだかピッチが短い気がする。ちょっと若狭で感じた日本海のうねりを思い出した。

いつもと違う雰囲気と舟の重さが相まって、遠くで漕いでいる気分。口数も減ってそれぞれの漕ぎに集中しつつも、なんとなく舟はまとまって進んでいく。

そうして当初の目的地についたら、すでに先客が何組かいた。バイクや四駆で入ってきてテントを立ててある。まあそうだよね、もうここは無理だよねと針路を変えて、なんとか自分たちの浜をみつけて舟を上げた。


まだ日は高い。ここから自由時間。寝る場所を好きに確保して、三々五々に作業が一段落したらお酒を持って自然と集まる。大先輩はいつも最初に支度が済んで、というか全部済ます前から取り出して、みんなを待ち受けている。

そうやって集まりだしたら色々な話で時間があっという間にすぎた。以前いったツアーの話、特に去年の成生岬を回った時の話は印象につきない。

風はないのに、日本海の変なうねりが岩場に打ち返し、わりと厳しい海況で成生岬を目指してた。海図には灯台の印があって、それを目指して次々とでっぱりを回り込んでいくのだけど、いっかな灯台が見えてこない。

大先輩は、海図を読み間違えたかな、この海況でどうしようとヒヤヒヤしながら、大きな岩場を回り込もうとしたら、下から遠くに見上げた梢の隙間に、角度で灯台の影がちらりと見えた。ああ良かったと岬を回り込んだら、海面が静かになって、大きな入江がいくつも折り重なる湾に滑り込んだ。後で調べたら、キャンプに上がった場所は昔ながらの風待の入江だったそうだ。

そこでは、狭い波打ち際のゴロタに舟を繋いで荷物を持って上がり、一段上の平らな地面に高層テント場を作って過ごした。今日は三浦だけど、気分は遠くの浜でいるみたいだ。

そうしてカヤックに関係有ったり無かったりの話をとりとめなくして風が強まってきた夜更けにお開きにして寝た。

夜は風が吹いて、結露を嫌って全部メッシュに開けて寝たテントではさすがに寒く、夜中にゴソゴソと締め切ってそれからは暖かく朝まで寝た。

帰りも大した距離ではないので、のんびりと起き出し、遅い朝ごはんをゆっくりと食べ、ゆっくりと支度をしてから追い風に乗ってビュンビュンと帰って舟を上げた。道中、昨日の余韻を味わってまた口数は少なく、しばらくはお預けの重い舟の漕ぎ味を名残惜しんだ。

こうやって一泊でもやってみると、色々課題もみつかる。これが連泊で、しかも一週間を越えてくるとどうなのか。何かを増やしたら、何かを減らさないと積み込めない。どこでバランスさせるか考え直して、次の遠征に備えよう。カヤックをどこまでも漕いでいくために身につけるスキルの一つ、それがキャンプ。


















2022年3月19日土曜日

20220312 ちょっと三浦まで

やっとやっと漕ぎ日和。ちょっと漕ぎましょうと三浦に出かける。ウズウズしていた筋トレ後輩とクラブで待ち合わせて。

一足先に支度して先に浮かぶ。昨日まで吹いてた風で波があるかと期待したけど、近場のポイントにはなかった。久しぶりだから体力温存。近場の浜と俺の浜で行ったり来たりして、流木をあちらからこちらになど移す。

その後しばらく、湾内に戻りながら浮いてるゴミを拾ったりして、舟をちょこちょこ動かして水の感触を楽しみながらしていたら、後輩とオサレ同期が出てきた。

同期は北に立石を目指すという。湾口の堤防で分かれて、後輩と僕は剱埼を目指す。追い潮、追い風、ビュンビュン飛ばして、あっという間に剱埼まで来てしまった。内心雨崎くらいまでは行ってもいいかなと思っていたら、後輩が三浦海岸まで行きますか、といった。

何週か前、後輩は大先輩のツアーで八景島から三浦海岸、というか菊名海岸まで漕いでいる。なんとなく、そこまで行きたくなったんじゃないかな。その気持ちよく分かる。そこまで行けば、小網代から八景島までが気持ちの中でひとつながりになる、そんな感じ。

ただ、そうすると往復36キロほどになる。なんとなく、30キロを境に漕ぎが変わる気がする。でも、今日は海況は申し分なしだし、問題ない。行きましょう。

そうはいっても、今までの筋トレペースでは流石にやりきれないと思って、ここからは歩くペースに変えた。それに、ここまで追い潮だったけど、東京湾北上は向かい潮。澄んだ海の底から立ち上がるホンダワラが、こっちに向かって長くたなびいている。

久しぶりの雨崎は暖かくなったからかとても賑やかだった。

雨崎から菊名までは油凪。のっぺりとした海面の下はホンダワラの林で、自分が小さくなって水草の金魚鉢の中みたい。このダレる区間も下を向いてたら飽きなかった。

菊名についたら気が済んだ。後輩は浜に上がりもせずに引返す気満々。くるりと背を向けて、横瀬島まで漕ぎ戻り、そこで舟を上げて昼ごはんにした。

横瀬から小網代は体が距離を分かってる。いつものペースで漕ぎ戻り、満足して入江に滑り込んで舟を上げた。

クラブには先に二人が仕舞仕度を終えていて、同期は立石までは行かず、手前で折り返して俺の浜でのんびり、あとから出ていたしっかり者の後輩は、赤羽根でのんびりして来たそうだ。

釣りのお兄さんもボートを洗っていて、いい時期の鯛が3枚釣れたと、桜色のうろこに青の点々が光る桜鯛と嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

支度を終えて、後輩の昼飯は食パン3枚、ちょうど腹が減ったとかで、帰り際に焼肉屋さんに寄って疲れた体を労って帰った。これからどんどん暖かになる。漕げるうちにバンバン漕ごう。