小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ, YouTube チャンネル) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2024年7月28日日曜日

20240728 レスキュー練習会

夏ならではのクラブの催し。いろんなレスキューを練習する日。イベントじゃなくても暑いさかりは自然と合間合間に水につかるのだけれど、年に一度は大先輩の指導に耳を傾けながら最初から一つ一つ確かめる事があっていい。

ばらばらと集まってふと見ると、いぶし銀の先輩の舟が違う。キャンプに良さそうなラダー艇になって、中を見るとケプラーだ。洋物を乗り継いでいる。

ともあれみんなで入江に浮かび、馬乗りセルフ、フロートセルフ、T字グループレスキューとおさらいしていく。グループは助けるのと助けられるの、両方練習するのが大事。

意外に苦労するのが舟によじ登るやつで、セルフでもグループでも、脱った以上は登らないといけないのだけど、それがなかなか難しい。一蹴りで勢いをつける足の力、舟を下に沈める腕の力、これをうまく組み合わせるとバウにも登れる。ロールができても脱ることは絶対にある。そういうつもりで練習しとかないと。ロールよりまず馬乗り。

そうして昼前にロールの練習になる。初めての人にはマンツーマンで大先輩がついて、初めてのロールをみてみんなで拍手。そこで大体お昼ごはんになる。

午後は外に出て海の上でおさらいしていく。良い海だけど微かなうねりがあって、やっぱり入江の奥とじゃ違う。沈脱からセルフで戻ったら、水を抜かずにそのまま漕いで見る。抜かないとバランスを崩しやすい中、離れた浜まで漕いでみる。ポンプで水を抜く間もなくその場から早く離れたり、重い舟で漕がなきゃいけなかったり、そんな事を想像しながら色々遊ぶ。

浜で一度水を抜いて小休止。大先輩が温かい熱々の白湯を淹れてくれた。うまい。レーズンの黒酢漬をおやつに休んだら、近場のポイントで波遊びの仕上げ。潮が下がって乗れる波が来る中、沈したり脱ったりで体を冷やして夏のお祭りを楽しんだ。



2024年6月30日日曜日

20240630 ひっさしぶりサーフ

大先輩の車で房総にサーフ。いえーい、ひっさしぶり。メンツはいつものニセコと何でも屋の先輩コンビ、ガンガン後輩、大先輩とここまではいつものメンバーだけど、あらたに自由な後輩コンビの二人が初参戦。良いと思います。

ウキウキゴーゴーで車は走り、いつもの海岸へ。今日は午後から風が強まる予報なので、隣ではなく目の前の浜で船を出すことに。地元の駐車場の人たちと立ち話をしながら雰囲気の良い小さな浜に船を並べ、そして漕ぎ出す。

思ったより波には力が有るけど遅くて、なんだかとても乗りやすい。これは午前中までだったけど、とにかくバンバン乗って遊んだ。先輩コンビはパドルをバンバン回して突っ込んでくる。波打ちで浮いて次の波を振り返ると、そうしてオヤジ二人がニッコニコ顔で乗ってこっちにすっ飛んでくる。

ガンガン後輩は相変わらず、小さな波にもガンガン漕いで、それで乗れずにおいていかれても楽しそう。沈したらしたでしっかりとロールで上がる。


初参戦の後輩コンビはとてもサーフの勘所がいい。乗った時のスターンラダーのタイミング、それを切り替えるタイミング、横から見ていて違和感がない。こちらの思った通りのパドル操作をするのですぐ上手くなるなーと思う。

それでもちょっと大きめの波は最後に横に向けられたところで沈脱し、ふたりともセットに行く間もなく脱。コーヒー、ごちになります!

帰りの車中は何故セットに行けなかったか、口から自然と言葉がこぼれる。それを見てガンガン後輩が、脱ると口数が増えるよねと、自分の姿を思い返しながらしみじみとしていた。その後輩も今日は脱ってない。ある日突然スイッチが入ったよね。

大先輩は、実は今日は結構いい波なんじゃないかと陰で思っていてNanaという気持ち短い舟を持ってきていたそうだ。その当てが外れて、同じ波でもシメスタに置いて行かれたりするのを、力技でスピードを合わせてガンガン乗っていた。

そうして昼のチャイムからなってもそのまま、気のまま波を追っかけて遊ぶ。そのうち風が強まって来て、ブレースを時折入れないと沈しそう。波も崩れ気味ではあるけど風でワチャワチャと落ち着かない感じ。この風と波の中浮いているだけでも練習になる。

そうして夕方までたっぷり、先輩コンビだけになるまで遊んで上がった。帰りに灰干しサバの定食屋に寄ってうち上げて、今日の反省会。やっぱり、ロールして距離漕いでサーフしたらカヤックの技術はどんどん磨かれると思う。なんでも遊べるカヤック楽しい。そんな話を車中で楽しみながら帰った。

2024年6月8日土曜日

20240608 新艇が来た

一度一日丸々漕ぐとずっとそうしたくなる。そう言って筋トレ後輩とペース上げて漕ごうと申し合わせてクラブハウスに。とはいえ僕は正午過ぎには早上がり。

朝ついたら、いつもニコニコの後輩がすでに来ていた。それがいつにもましてニコニコしている。長らく待った新艇が来たのだと聞く。

早く出て漕ごうと思っていたけど、新艇はやっぱり見たい。プチプチを外して開くのを手伝わせて貰い、ニコニコ後輩と一緒に写真に写る。

流石に進水式まではいられないので失礼して筋トレ後輩と先に海に浮かぶ。その分安房崎までかな。なんだか流れがあってがんがん進み、結局安房崎を越えてしまい、横瀬島で折り返す。

帰りもどんどん漕いで、三崎の堤防を回ったらツアー組を探す。はい、気配がない。北かなあ、どこかなあ。諸磯の灯台に向かって漕いで、左寄りを気にしてみていたらエビ島の岩場に人影が見えた。寄って行って合流を果たす。ちょっとのんびりして諸磯から一緒にまとまって出ていく。

オサレな同期が久しぶりに来ていた。相変わらず忙しくしているみたいだ。真面目な後輩も久しぶり。お互いにバタバタとしている話を交換しながら、諸磯から俺の浜まで一緒に漕いだ。

網代湾の入口を渡るあたりで僕は先に上る。一人別れて堤防に入り、その裏でちょっと水に浸かってから奥に進む。

ヨットの手前では釣りのSUPが真ん中でトロトロ漕いでた。ちょっと寄って声をかけ、この航路だからと北側漕いでくれるよう共有する。夏だなあ。

入江まで戻って一息ついたら、後ろからシリアル後輩と自由になった後輩がスーッと入ってきた。後ろにいたの、全然気づいてなかった。ちょっとぬかったな思いながらみんなで舟を片づけ、先に上がった。

2024年6月1日土曜日

20240601 全部やる

年に一度のクラブイベント、江の島往復ツアー。小網代から往きは真っ直ぐ330度で江の島を目指し、帰りは岸沿いに漕ぎ帰る。

ここ何年かは海況が悪くて開催できなかった。今年も台風一号が発生してどうなるかと気をもんでいたら、そいつが梅雨前線を南に引き込んで絶好の予報となってめでたく開催の運び。

クラブのツアーでは僕はこれが一番好き。10時間くらい海にいると何かしら起こる。そういうのをチームで何とかする。また、何にも起きずに帰れたらそれだけこなせる力がついたということなんだろう。どう転んでも面白い。

今回のメンバーは大先輩、手広くやってる後輩、筋トレ後輩、熱心な後輩に僕の総勢五人。少数精鋭。海況も良さそうなので皆シングルで行きましょうと言うことになる。

それならと甘えて薄い舟をラックから出そうとすると、大先輩から「え、それでいくの」と声が漏れる。はい、まだ稲村ヶ崎までしかこの舟で行ってないのでチャレンジさせてください。

手広い後輩と筋トレ後輩はこのツアーは初めてだけど、ふたりともパワフルだから問題ないっしょ。そんな二人の艇は赤青のゴリラ。熱心な後輩は何回かやってるけど、海燕では初めてだね。

さっそくクラブで支度をして海の上。漕ぎ始めた凪の海に大先輩はとても眠そう。大先輩の刻むパドルのペースに皆合わせてしっかりと集まって漕いでいく。先に走る人がいないのはちょっと珍しいけど、寂しさもある。

50分漕いで10分休憩のペースで進む。手広い後輩が定期的に〇〇キロ漕ぎましたーと報告してくれる。途中、熱心な後輩が気が向いて沈脱したけど、久しぶりだったので馬乗りに失敗し、軽く舟を押さえて手伝うのは御愛嬌。

そんなで四回休憩したら江の島の南側に取り付けた。いつもの橋のたもとに上がるか大先輩が決めかねている様子。海も静かだし南の岩場に上げようと決めて、盗人狩のような隙間に入っていく。周りにはカメラを構えた人が大勢いて崖を伺っている。後で調べたらハヤブサか営巣しているらしかった。見守る会というのも有って、巣立ちの時期で盛り上がっていたようだ。


皆が上を見上げてる中、下で用事と食事をもそもそと済まし、半時間でまた海の上。そのまま島を右に一周して橋をくぐり、これからは帰り道。橋の下のいつもの浜は潮が満ちて水の下だった。大先輩が決めかねていたのはこれか。気が付かなかった。


腰越から稲村ヶ崎までの浜辺はサーファーが点々と入り、でも潮がだいぶ上がっているので乗れる感じじゃなさそう、日差しの下揺られて浮いている。人のいない所を見て僕らも乗ろうとして見るけど難しい。それでもココイチデカい波というのは来るもので、それが熱心な後輩を掴まえて沈、そこを脱らないでちゃんと上がる。実は後輩は数カ月ぶりのブランクがあるのだけど、身についたものは裏切らない。

稲村ヶ崎からは大崎、真名瀬とつなぐ。真名瀬の水路ではカヤック2艇とすれ違った。どちらも5分割艇で、自然と「あー、5分割だー」と声が漏れて少し言葉を交わした。そうして遊びながら長者の砂州に上がる。

もう後10キロちょい。長者の浜はいつも風が抜けて強く感じるけど、みんなまだまだ元気、大丈夫でしょう。でも風に吹かれて体が冷えたので、みんな一枚上に着て、甘いもの二回りほど食べて見知った方向に漕ぎ出す。江の島はもう後ろにだいぶ霞んだ。

佐島のキラキラと荒崎で二度ほど手を止め小休止。海は凪いだ。ゴリラの二人は力任せなところも少しあるけど、それでもまだまだ漕いでいけそうなのが恐ろしい。疲労困憊と叫んでいるけれど、なかなかどうして。ブランクのある後輩はケロリとしていて、ゴールしても「えー、今日もう終わり?」と大先輩に聞くのだろう。

荒崎から真っ直ぐ網代崎を目指し、黒崎を過ぎたあたりでお日様にどんどん色がついてくる。あぁ、久しぶりに江の島行けたなあとつぶやきつつ堤防をまわると、湾内はもう水を撫でるだけで進む。そうしてだいぶ明るいうちにゴールできた。


疲れてはいるけど、今回はだいぶ余裕を持って皆漕げたなあと思いながら、揚々船を片付けているととっても寒い。風もないのに、日が落ちるだけでまだまだ気温が下がるのかなと思っていたら、みんな寒い寒い言っている。あと10キロ漕げるなんて言ってたけど、体は熱を作れないくらい結構へこたれてるのかもしれない。蓄熱体質の大先輩でさえ寒くて乾いた服にちゃんと着替えてた。

そうしてみな着替えて打ち上げる。残念ながら手広くやってる後輩は地元民なので、着替えが家だからと帰ってしまったけど、残りの4人で一息ついた。

熱心な後輩は久しぶりのカヤックで距離漕ぎ、沈脱、サーフ沈でロールと全部やった。今日の殊勲賞だと思う。これでホタルが飛んでまた夏が来る。水の上下自由自在のカヤックを楽しもう。

2024年5月25日土曜日

20240525 また次の

GWに遠くでキャンプ泊しながら漕いでくると、帰ってきても全然スイッチが切り替わらない。次は何か違うやり方でやってみようと頭の中が試行錯誤する。仕事にならない、

中でも今回は雨の日のタープの便利さを改めて知らされて、自分でも取り入れたいと思った。そうやって荷物を減らして、薄い舟でも一泊の三浦キャンプならやれると思った。

それなら練習しましょうと、家からカートを牽いて舟を出す。丁度三浦の道草マラソンに知り合いが出ていて、海から応援できたらそれもいい。

パドルを縛るのに思ったより手間取って、そしてまた込栓を折ってしまった。もう予備がない。やっと浮かぶともうマラソンは出走してる頃合いで、海の上のカヤックが見えたかどうか。

とりあえず久里浜を回れるかと北に漕ぐけれど、10時頃までは北東の風が強い。予報どおり。とりあえず堤防の先まで出て真正面に風を受けてみる。東京湾ぽい風浪が立って、まあ行けなくはないけど行っちゃだめなやつ。そうなるだろうなとは思っていたので、とりあえず引き返して手近な浜に上がり、タープをの張り方を試しながら風が落ちるのを待つ。


まあ、こんなもんかと気が済んだ。風が落ちてきたのを確認してまた久里浜の堤防を回る。これなら大丈夫と言うことで先に進める。午後は今度は南風が上がるので、早めに下浦のテトラには戻る気持ちで漕ぎ出す。

オオツカネでその先を考える。まあ、風待ちで時間使ったし、浦賀で折り返しますか。寄居で昼めしにしたかったけど、やっぱり南風が気になるし。

浦賀では東と西の叶神社を水面から眺め上げてお参りをし、燈明崎で飲み物を買いに一度船を上げる。道からの入口の広場には路草マラソン100キロコースの補給所が有った。知り合いは63キロコースのだから浦賀までは来てないけど、こういうのを転々と回っているのだなあと思った。

また浮かんでオオツカネまで戻る。風はまだ落ち着いていたので、もうちょっと出てみるかと海獺島までいくと結構潮が流れてる。その先の笠島の浮標までタッチして折り返し、久里浜の堤防まで戻った。思ったよりも流れてて海面ザワザワしてた。いい感じ。

これで下浦のテトラの内側に入ってしまえば安心感がある。手近な浜に一度上がってのんびりと昼飯として、それで残りはテトラ脇をのんびりと漕いで舟をあげた。あー、早く次のキャンプがしたい。

2024年5月19日日曜日

20240519 笠懸神事

ツアーではのんびり漕いだので、少し体に鞭を入れたい。来月になったら江の島往復のツアーもあるしなおさらだ。筋トレ後輩も同じ思いのようで、申し合わせて朝から一緒に舟を出す。

今日は荒井浜で笠懸神事を丁度やるらしい。それなら午前中ペース上げ目で漕いで荒井浜までやってきて、一息付きながらそれを見て大先輩のツアー組に合流しようという目論見。

よっしゃよっしゃと漕いで諸磯を過ぎる。何となく潮の流れが気になる。追いなのか向かいなのか。追いなような気がする。あっという間に安房崎まで着て先を見る。海況は良いのでとりあえず横瀬島までは行きましょう。

それにしても波の感じがぜんぜん違う。長津呂崎でうねりがガシャガシャしているのを漕ぎ慣れているとだいぶ強い。

横瀬島はタッチですぐに折り返し、また安房崎、長津呂崎、三崎の堤防ときて辺りを見回す。笠懸には間に合いそうだ。よしよし。でも大先輩たちの気配がない。キョロキョロしながら諸磯を抜け、荒井浜まで来てしまった。

浜は人が一杯で、いかにもな声のアナウンスがしきりに笠懸神事の説明をしている。浜の前にはSUPも三人ほど浮かび、事が始まるのを待っている。

僕らも遠目に浮かびながらアナウンスに耳を澄ます。時間どおりに神事を始めますと聞こえた。そこから神主さんが祝詞を上げ、町の住民やら市長やら果ては県の議員やらが玉串を捧げて挨拶をし、とまあ小一時間経っても馬が出てこない。

しびれを切らしたので一旦浜諸磯まで戻って船を上げ、もそもそと昼ごはんを食べて大先輩たちを北に探しに行くことにした。その途中荒井浜を過ぎようとした所で丁度馬が走ってくれていた。四人ほどが左に右に笠懸をやったのが見れたので満足。そのまま岸を睨みながら荒崎を目指し、黒崎を過ぎたところで大先輩に合流できた。

それで舟を返して俺の浜にコーヒー休憩に上がってそぞろに話をする。今日のゲストさんに一人サーフィンやらOC-1やらをやっていた人がいて、どおりで後ろからの漕ぎ姿がしっかりしてると思った。岩場のポイントで、大先輩が波に乗るのを見て自分も一本乗ったそうだ。すげえ、日本もまだまだ裾野は広く、頂も高い。

その人はそのうち隠岐の島にカヤックのツアーに行くそうだ。いいねえ。そういう話をしながら入江に戻って軽く回って舟を上げた。

2024年5月5日日曜日

20240504 -0505 GW 旅に暮らせたか

いよいよ漕ぎは最後。目標の浜まで二十キロ弱。そこで今回の瀬戸内の漕ぎは終わる、距離は短いけど、ついた浜から大先輩は車を取りに岡山で出発した浜までバス、新幹線、電車、タクシーと乗り繋いで戻らなきゃならない。手漕ぎの舟でもこれだけの日数積み上げればそれなりの距離になった。

ゴールの浜から乗るバスは一時間に一本なので、漕ぎは短いとはいえ時間に気を遣う。まだ日の低くてひんやりした海に漕ぎ出してしんみりしながら漕いでいく。

とびしま海道は本州に近づく島ごとに護岸が増え、浜が減っていく気がした。そうして漕いでいるとなんだか催してきた。出発のときにかすかにあったもやもやを気にせず出てしまったなと思いながら、キョロキョロあがれる場所はないか探しながら漕ぐけど、車道が壁になって上がれる場所が見当たらない。開発された海岸線が恨めしい。

ツアーのペースだと汗もかかず、ただ下に出てきてしまうのか、どんどん強まってくる。仕方ないので、大先輩に休憩予定の浜まで先に漕ぎますと伝え、レジェント先輩の「えー、あとちょっとだよー我慢できないの〜?」という激励の声を尻目にペースを上げる。

下っ腹に力むとチョロりとしそうになる。まずら腕漕ぎ気味に回して体が温まってきたら少し波が治まる。その隙に普段のように漕いでいくと背中に汗が滲み出す。それで良い循環を回し、時々また戻って来る波に堪えながら見えていた浜に一人で滑り込んだ。降りた時には出口が少しパクパクしていて限界だ。時間が惜しいので目の前にいる人にトイレの場所を聞いてギリギリセーフ。さっぱりして舟に戻り、こちらに向かってくるみんなを迎えた。その時間の差は数分にしかならなかった気もするけど、のんびりペースで漕いでいたらその遥か前に駄目だったと思う。

気を取り直してすぐにまた皆で水の上。しばらく岸沿いに巻いたらすぐに先が開けた。ここからゴールの浜までは8キロほどの渡り。右後ろからの潮流に乗って1時間半ほどか。

海況は申し分なく、晴れた日差しの微風の中を淡々と漕いでいく。これで浜についたらもう漕ぎはおしまいか〜、嫌だな〜、と思いながら漕ぐと自然にペースが鈍る。そうすると、さっき空にしたはずの体内にさざ波が立ち始め、水かさを増して行く。

いやだ〜、最後はみんなでゴールしたい。もう先には行けない。なんとか間に合えと祈りながら気もそぞろに水をなでていたらゴールの浜辺前まで来ていた。しかしここですぐに上がれるわけではない。車のつけやすい場所にあげたいし、ゴールの瞬間を動画に収めたい。色々な渦が滞留しながら秒が過ぎ、分が過ぎで限界を超えてしまった。

半分もだしてないけれど、なんだか締まりの無いゴールで情けなし。力なくガッツポーズをして皆の列に並ぶ。これで一端のカヤッカーになれたのか。でもみんなには内緒。

ササッと着替えて大先輩はバス停に向った。予定では戻ってくるのに六時間かかる。その間は残りの5人で過ごす。とりあえずさっぱりしたいので、ロールをして水を入れよう。ツアーはいつもナイロンのスカートなので何度か回れば腹からコックピットに水が入る。

筋トレ後輩も浜の暑い日差しを嫌がったか一緒に回るというのでまた二人で浜の前に浮かび、少し沖に出て回る。瀬戸内海の水はまだ冷たくて、二度ほど回ったらザバーっと水が入ってきて途端に体が冷えた。これで十分。

あとは陸の服に着替えて脱いだものを水洗いし、他の荷物も並べて濡れ物を乾かす。時間はたっぷりある。浜から道路を挟んでキャンプ場があり、大きなテントがいくつも建っている。その風景と比べて僕らの荷物には何故か強い生活感が漂う。その少しの差を大事にしたい。


浜でやることも無くなったので、呉の町に出よう。浜に残るという二人を良いことに荷物を託し、筋トレ後輩とシリアル弟合わせて三人で呉の町に出た。銭湯に入り、そして昼飯を食べる算段。ついでに呉の駅でお土産も買って、またバスで浜に戻った。

後は大先輩が戻ってくるまでに自分たちの荷物を持ち帰り用にまとめ、カヤックを空荷にしておいたり、なんだかんだで動いていたら丁度六時間で大先輩が車で戻ってきた。手早く荷物、カヤックを積みながら、これからの行程を相談する。

一日早くゴールについたので時間は余裕がある。今は夕方五時。これから出て夜通し走れば渋滞になる前に戻れそうだというので、もうこのまま帰ることにする。ドライバーに気持ちよく走ってもらうのが最優先。

帰路につく前に浜からほど近いお好み焼き屋に入って打ち上げ。漕いでる間に懲りたのでお酒は控えてノンアルで乾杯したけどこれがとんでもなく美味かった。おでんと合わせて美味しく飲んで食べたら、後はもう一目散に横浜に帰る。ツアーの帰りはいつも速い。今回はさらに速くて、余韻が始まる前に帰ってきてしまった。


ツアーを終えたと言うより、一つの学校を卒業したという方が近い感覚でその後を過ごしている。ゴールを目指したと言うより、日々浜から漕ぎ出て浜に上がり、食べて寝る生活を一日一日と暮らしていたら、気がついたら今ここでおしまいとなった。できたらこれを何ヶ月、何年と続けたい気にもなった。これが、行ったきりで帰ることのない旅に暮らすということなのかなと思った。また、そうして過ごすには瀬戸内はやりやすいところだなあ。まずは三浦の海で暮らしてみたい。