小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ, YouTube チャンネル) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2023年5月7日日曜日

20230428 - 0507 五島列島 福江島一周

 

GWはまるまる使ってクラブのツアーで五島列島に行く。予定は福江島をキャンプ泊しながら一周。とはいえ天気予報がかんばしくなく、前半四日間が漕げるかどうか。昨年のシルバーウィークも五島ツアーが企画されていたのだけど、ちょうど台風が直撃していてキャンセルになった。リベンジなるか。

4/28 横須賀 - 4/29 新門司フェリー行

参加メンバーは八人。うち七人は横須賀港と新門司港を結ぶフェリーに乗っていく。もう一人は参加申し込みが遅れたのでフェリーの空きがなく、博多港での待ち合わせ。博多港から福江港にさらにフェリーに乗り継ぐ予定となっている。

それがいろいろすったもんだで、臨機応変になるのがツアーの醍醐味。大先輩が色々頭をひねり、博多からの29日夜のフェリーには間に合わなかったけど、長崎から翌朝のフェリーで福江に渡ることになる。九州行きのフェリーでは携帯が繋がらないことが多くて大変気を揉んだ。

博多港で一人待っていた後輩が、船を見送る写真を送ってくれた。せつない。


4/30 長崎 - 福江フェリー行

新門司港から長崎港に車で移動し、24時間営業のスーパーでキャンプの買い出しも済ませる。それで港に着けば空も明らんで、数時間で福江島に向けて出港。雑魚寝部屋で昨晩の睡眠を取り戻す。

浜田の浜 - 堂崎教会 - 六方の浜



いよいよ出発!福江港から出発地の浜田の浜に移動して、カヤックの支度をする。ここから出発して右に漕いで行き、数日後には左から戻ってくるはずだ。少し眠いけど気分が上がる。午前中はまだまだ吹いていた北風でうねりっけのある波が入っているけど、糸串崎を回って島の東側に入れば収まるでしょう。

後で聞くと、車中泊が応えてこの漕ぎが一番つらかったという人が結構いた。そんな感じでドンブラされながら糸串崎を周り、ドンブラ波は減ったけど今度は向かい潮の潮流で、それを岸寄りに避けながら南下していく。途中、堂崎天主堂に寄ったのが五時過ぎか。西の方なのでまだまだ明るい。

堂崎から出てきてさらに南に行こうと漕いでいると、一旦通り過ぎた釣りのボートが戻ってきて寄ってきた。逆潮だから気をつけろよと何度か声をかけてくれた。ありがとうございます、気をつけていきますと返事をして別れた。ありがたい。

もう少し漕いで六方の浜について、今日はここでキャンプ。なんだかんだで午後だけで 22キロほど漕いだか。すぐに日も落ちて、初日の疲れもあり夕食が済むとテントに引っ込んで皆寝た。


5/1 六方の浜 - 鐙瀬の漁港 - 富江の浜 - 津多羅島

日が出るとみんな申し合わせたようにごそごそと起き出してきて挨拶をかわす。熟睡できたようだ。今日は行程が一番長くなるかもしれないので、みんなやる気満々。ここで頑張っておけば一周が見えてくる。準備がすんで大先輩の周りにあつまって海図を見ながら今日の行程の確認。八時には浮かぶ。

浜から漕ぎ出してすぐに福江の港への航路を横切る。みると、フェリーが港に入ってくる。これはきっと僕らが乗りそこねた博多からのフェリーだ。おーい、乗せてくれーとみんなで嘯いて南を目指す。追い風でぐんぐんと稼ぐ。

島の南側に入って溶岩の海岸を漕いでいたら、奥まった入江いっぱいに鯉のぼりが渡してあった。海の上にゆっくり大きな鯉のぼりがいくつも泳いでいる。それを下から眺めながらゴツゴツした岩っペリを漕いでいく。溶岩の岩は黒い。そのせいか、三浦の海と同じ色な気がする。漕いでいてすごく地元感がある。

お昼が近づいてきたところで、小さなスロープにあげさせてもらい昼休憩にする。北寄りの風の予報だったけど、少し西成分も入っていて向かい風感を感じはじめた。みんなスロープで昼寝を始めたので、ちょっと堤防の上にいって風の様子を見に行った。それで戻ってきたら、上げてきた潮に自分のカヤックがぷかぷか浮いていた。あぶないあぶない。シリアル兄弟の後輩が捕まえてくれた。

思ったよりも北西の風が強い。できるだけ横風になるような方向に岸を回り込んでから、広い湾の向こうに見える富江の浜に向かって湾を渡り出す。白い砂が景色の中で光っている。湾の中に出てきたら風も少し落ちてきて、その後はすんなり進んで浜に上がれた。



富江の浜は横にキャンプ場があって、トイレも多目的トイレだけは開けてあって使えた。人心地がついた。ここまで結構向かい風の中を漕いでいてもう三時。日没が遅めとはいえ、向かい風の中、今日の目標の津多羅島まではまだ遠いなあ。がんばろう。漕ぎ出したら岸沿いに丸く回り込んでいくつか岬を過ぎたら最後に津多羅島が見えた。

そこからは真っ向西風と勝負。島に向かってじりじりとパドルを回す。それなりなドンブラ加減になって落ち込んだバウが波をしきりに掬う。楽しくなってきた。先を行っていた大先輩もしんがりについて、「だいじょうぶです。進んでます」と声を出す。シリアル後輩はそれを聞いて「ああ、俺、進んでないんだなあ」と思ったそうだ。安心してください、進んでます。でなきゃ引き返してます。

さっきの富江の浜は明るい海と白い砂でカラフルだったけど、津多羅島への渡りはモノクロームな印象しかない。ずっと晴れていたはずだけど、島に重なる西日を睨みながら白黒の印象の中をひたすら漕いで、六時になってようやく島に近づいた。


島上陸のために南側の浜に近づいて様子を見ると、大きめのゴロタの浜で角度もついている。足元に気をつけながらまだまだ重い舟を手分けして一段上に運び上げ、ようやく落ち着いた。浜のすぐに岩壁が立ってそれを見上げる。いやあ、厳しい。南風で波が入ってたらなかなか無事には上がれない。その場合は島の北側のほうがいいのかもしれないけど、条件が良ければ南の方が雰囲気がある。あげた舟の中から地元の五島ワイナリーのスパークリングワインを取り出して栓をスポーンと抜く。みんなで回し飲みをして喜びを一緒に味わう。今日は33キロほど漕いで、ここでちょうど半分くらい。

明日は難所の大瀬崎を回るけど、海況は期間内で一番いい。大先輩の計画はさすがだ。潮周りを考えると明日の出発は遅くていい。だから今晩も明日朝も、この人の気のない島でゆっくり過ごせる。日が落ちる中テントをはって、綺麗な月が高く上がる中、みんなで遅くまでのんびりすごした。シリアル兄弟の先輩は、ひっくり返っている海亀の横に気にせずテントを張っている。騒がせたかわりにレンタルテントのペグを奉納してきたらしい。こらぁー。



5/2 津多羅島 - かやば浦手前の砂利浜 - 大瀬崎 - 玉之浦の浜 - 砂利浜

のんびりとは言っても、結局みんな日が出たら起きてきて、いつもどおりに朝ごはんを作って食べる。11時出発の予定が準備の進みぐあいでなんとなく早まって、10時半には海の上に。早くつきすぎてまだ潮が流れてたらゆっくり休憩しようということで出発。途中、小さな砂利浜の休憩を挟んで大瀬崎が見える岬を回り込んだ。


第一印象はブルーチーズ。細かく縦横に青カビの入ったスチルトンかピカンテ。ナイフで切ってもぐずぐず崩れてこない硬そうなやつ。断面が真っ直ぐ綺麗だなー、でかいなー。こんなところに潮なみとうねりと風が寄せて返してたら恐ろしい恐ろしい... この岬は海図によると 3.3 ノットは流れるらしい。恐ろしい恐ろしい。そう言いながら今日の海況はちょうど潮も止まったかのっぺりとした海面で穏やか。上の灯台が見えなくなるまで岩壁に寄って上を見上げる。隠岐の島の摩天崖の方が高いけど、壁の平面感はこっちのほうがすごい。

崖の上から手を振ってくれる人がいる。こちらも手を振りふり灯台を回って北に向きを変えた。本当に良い海況でここに巡り合わせてよかった。大先輩は一仕事終えた安堵からか眠そうに漕いでいる。まだまだ続く岩肌を楽しみながら島山島との間を回り込み、玉之浦にある小浦の海水浴場に午後の休憩に上がった。

浜には家族連れが一組いて、どことなく都会から来た人のようだった。GW の里帰りなのかなと、その人の生活をあることないこと、イケメンジャー後輩と話しながらまた船の上に。距離的にはもう一度外海に出た方が近いのだけど、ダンナ後輩の「外は飽きました、中を行きましょう」の一声で玉之浦を漕いでいくことにする。外が静かなだけに内海も一層静か。里海と呼びたくなる静かな、でも生活感のある海をするすると抜けて北上していく。日もだいぶ低くなって、ああ、後一日しか漕げないんだなぁと寂しさが忍び寄る。

有名な高浜より数キロ手前の人のこない砂利浜に船を上げてキャンプ地とした。西向きのキャンプ地はここが初めて。夕日を見ながらのんびりする。今日はこれで25キロほど漕いだか。明日は最初はいいけど、後半向かい風が予想される。それを頑張って漕ぎ上がれば一周だ。



5/3 砂利浜 - 高崎の浜 - 浜田の浜

いつものように起き出して、今日はシリアル兄弟の朝食チェックが賑やかだ。先にささっと食べ終わった二人がみんなの朝食を覗き込みながら、「おや、オムレツですか?僕の分は?」、「納豆ご飯と卵雑炊ですか?食べ過ぎじゃないのー?」、「朝から棒ラーメンー?元気ですねー」とか隣の朝ごはんを次々に読み上げていく。朝から二人は面白い。

今日はおそらくキャンプ最終日。今夜から雨なのでテントは張らず、東屋などを探して泊まるだろう。出発の朝は晴れているので、下の砂利浜のおかげで砂がつくこともなく乾いて綺麗に撤収できた。このくらいの浜が一番嬉しい。白い綺麗な砂浜は見た目はいいんだけど、何をするにしても砂がついてくるからなあ。

やっぱり八時には出発する。だいぶ軽くなったみんなの舟に比べ、僕の舟はまだまだ重いなあ。綺麗な高浜を遠目に見て、追い風に乗って北上する。今日は南東の風なので、柏崎の岬を回り込んで南を向くまでは風裏追い風。すいすいと飛ばしていく。

海岸線は円を描くように緩やかに向きを変えていく。一つ先の岬、また一つと、中々北の端の柏崎が見えてこない。少しずつ北西から北、北東と向きが変わっていき、朝から二つ目の灯台が見えたらそれが柏崎の灯台だった。近寄っていくと、諸磯の灯台とよく似ている。諸磯は四角いけど、それを円柱に変えたらこんな感じだろう。



親近感を感じながら柏崎を回り込んで 11時。ここから岸べたでのじりじり漕ぎが始まった。灯台を過ぎた柏の漁港で一旦体制を整えてからまた風の中に漕ぎ出していく。そうして高崎の鼻をまわりこんで綺麗な浜に滑り込んだら 12時になっていた。ほんの 2.5km ほどの距離を一時間だ。風の強さがわかるというもの。

白い砂浜の端には黒い溶岩がゴロゴロ転がっていて、それが熱を保っていて暖かい。空はだいぶ雲が出てきて薄暗い中、岩にくっついて体を緩めながら昼食を取る。向かい風との真っ向勝負をあと 5km ほどやる必要がある。あと二時間か。

果たして二時間、向かい風にパドルを刺しながらみんな粘り強く漕いだ。出発地の浜が近づくにつれ、つきたくない気持ちがどんどん強くなる。ゴールしたくないんだよねぇ... もう島の北側にはりついたので風裏で、たらたらと漕いでも舟は進んでしまう。

とうとう最後の浜の真ん前で浮かんでみんなの舟が止まった。一番最後に漕いできたのはシリアル兄弟の弟。「バッテリ切れですか?」と大先輩が声をかけると「あれ?五分休憩で逆回りスタートじゃないんですか?」と軽快に帰ってくる。この後輩は今回が人生初キャンプの初カヤックツアーで、それで福江島を一周してしまった。毎日少しでも先のキャンプ地までみんなで漕いだから、四日の中で漕ぎ切れた。みんなでそろりそろりと舟を進めつつ、その後輩の舟が一番にバウを浜にすりあげるまで待って、みんな一斉に浜に舟をつけた。その瞬間皆から自然に声が漏れる。シリアル兄弟の兄貴分はそれを後ろから動画で撮ってくれていて、最後に浜にあがり、パドルをカヤックにおいた。これで全員が一周を終えた。



あっという間だったー。あとは仕舞い支度をして大先輩の車に乗り込み、福江の街で打ち上げた。宿はなかったから、近くの海水浴場の東屋で屋根があればマットと寝袋で寝ちゃえるでしょう。明日からはずっと雨風強い。帰りのフェリーまではもう漕げない。あっというまの漕ぎだったなあ。


5/4 福江 - 長崎 - 佐賀




綺麗な浜の東屋で目を覚まし、酔いにちょっと寝が足りてない気がする。今日は昼前にフェリーで長崎に戻る。戻っても宿はない。雨の中どうしよう。とりあえず福江で鬼岳と堂崎天主堂を見学し、五島のお土産品を買い回ってたらちょうどフェリーの時間になった。

長崎についたら、宿はないけどとりあえず稲佐山に登ってみる。雨だったので街は見えない。これぞ長崎。野外コンサート場では音楽祭をやっていたようで、演者も客も一緒にステージの上で雨を避けながら愛を歌っていた。

次はチャンポンだろうと中華街に移動するけど、お店はどこも長蛇の列で並べない僕らには苦行。10分ほどであきらめてもうすこし寂れた街に移動しようということで佐賀に。走っていき、高速そばの仮眠施設があるスーパー銭湯に泊まることに決めた。

ようやく風呂に入る機会がやってきた。新門司でフェリーを降りて以来初めての風呂。文明社会に帰る儀式めいた趣がある。みな思い思いの手順でさっぱりし、佐賀のチャンポンで夕食としてから眠りについた。

5/5 吉野ヶ里遺跡 - 肥前浜宿・酒蔵通り - 伊万里

帰りのフェリーは明日の真夜中手前。まるまる二日あるとはいえ風が強いのでカヤックを漕げるわけではない。陸での観光に切り替えて行きたいところはないかと大先輩がいくと、部長先輩が率先していろいろ挙げてくれた。車があるのでフットワークは軽い。それらをがんがん回り、佐賀を堪能してまたスーパー銭湯に戻って寝た。

佐賀の道を走っていると、小麦が多くてどれも黄色に色付いて刈り入れどきだった。そういえば、落穂拾いという有名な画があるけど、あれも麦をひろっているんだろう。あたりまえだけど、今までずっと稲なような気がしてた。そんなわけないのに。

5/6 太宰府 - 新門司フェリー - 5/7 横須賀

この日は朝から雨。それでも太宰府に行ってみようという部長先輩の強い意志に皆喜んでついていく。無事お参りをすませて、太宰府の横にある国立博物館に寄ってみたら、ちょうどよい休憩所があったので、そこでお茶を始めたらカヤック談義に花が咲いて数時間ほどいてしまい、あとは新門司に移動するだけ。ちょうどよい休憩所だった。

それで新門司でフェリーに乗ったら、あとはだらだらと過ごすだけ。風呂に入ったり、みんなでだべったりしながら、ついて出る言葉は「かえりたくなーい」。また来年の GW が楽しみということですね。




2023年4月28日金曜日

20230423 ツアー前に軽く

GWは丸々使って漕ぎ旅行の予定。使う道具の確認に少し漕いでおきたい。ここのところ距離を漕いでないから心配。

木の分割パドルを途中で拾ってクラブハウスに行く。前漕ぎ道場の二人組が先に支度をして出ていった。同業の二人は、支度の間も仕事のような話をして難しい顔をしていた。大変だ。

そんな二人を見送ったらクラブハウスの外に腰掛けて、パドルを紐で縛り上げて組んだ。その間、北風が随分吹いている。

レンタルの知床を出して準備完了。キング先輩に舟を持ってもらって入江に浮かぶ。やっぱり結構風が抜けている。先に外の様子でも見てこようかとヨットの横に滑り込んだら、出艇簿に記入してないのに気がついて引き返す。いけないいけない。

そしたらツアー組の支度も終わっていたので、みんなについて漕ぐことにした。網代崎を過ぎると割とドンブラしていて、長津呂崎まではどんどん舟が進む。潮も追いで流れてたようだ。ゲストさんもスイスイと、先頭にくっついてどんどん漕ぐので、向かい風の中あっという間に安房崎まできてしまった。

宮川から先を見渡すと、ここから先は行かないが吉。折り返して赤羽根海岸で昼に上がる。ゲストさんは前にここまで来たことがあるらしく、今回は距離を伸ばしたかったみたいだけど、海況次第だからまた今度。

ゲストさんの帰りの都合にあわせて、俺の浜でのコーヒータイムはやらず、かわりに昼の時間をゆっくりと過ごす。ここは日が出ると暖かい。風も落ちてきて海がだいぶ凪いだ。

長めの昼を終えたら、充電した体でまたサクサクと漕いで油壺によりみち。浮いたまま少ししたらまたサクサクと漕いで小網代の入江に船を上げた。

ゲストさんは本当にいいペースでこいで、常に先の方にいた。次はぜひ、横瀬島まで行ける海況のときに来てほしい。

いよいよ来週からGWツアー。その前の良い漕ぎになった。

2023年4月9日日曜日

20230409 夏はまだまだ

 今年も桜を見そこねたなあと思いながら三浦に。湾を見下ろすと、北からの風がひんやりと顔にあたる。

久しぶりだと海の気温を見誤る。まだまだ水の上を吹いてくる風は冷たかった。

支度をして一人浮かぶ。堤防から出てスズメ島を周り、そこから諸磯まで追い風に足を伸ばす。そろそろ筋トレ後輩がでてくる頃合いと戻ろうとすると、前漕ぎの後輩と房総同期が漕いできた。後輩は最近舟を変えて、ポケモンカラーになりましたと声をかわす。来ているドライジャケットは黄色い。

進む二人と分かれて北風を漕ぎ上がると、何でもやる先輩とすれ違い、挨拶をする。今日はにぎやかになりそうだ。

堤防の内側で後輩と合流し、先に行った三人の後を追うでもなく、久しぶりの漕ぎとドンブラの波を味わいながら漕いでいく。

諸磯から先、三崎の堤防との間で先輩とすれ違う。馬の背を越えた瞬間、赤羽根に着いたことにして折り返したそうだ。これであがるとのこと。もっと一緒に漕ぎたいけど残念。

その先、長津呂の岩場を抜けるところで沖にポケモンカラーが見えた。僕らは先に進む。ここからは向かい風になる。筋トレ後輩のペースが上がる。漕ぎたいオーラが目に見えるので、安房崎でとまらず横瀬島まで行くことにする。ドンブラした風浪と南からのうねりで漕ぎごたえのある海況。薄い舟はバウを何回も潜らせながら進んでいくから腹が濡れるなあ。

横瀬島で折り返し。実は今日はクラブメンバーが集まって漕ぐ日。なので大先輩の定刻組は大人数だろう。うねりがあるし、潮が引いてるし、南方面に来るのは分かっていても、洞窟の浜にあがるかはちょっと怪しい。昼ごはんの場所が決まったら連絡をくれるよう、素直に大先輩にメールしておく。それで安房崎を目指して漕いでいたら、水っ垂れのスロープにあがったと途中で連絡がきた。右寄りに進路をかえて小さな入江を目指す。

たくさんのカヤックが上がっていてすごく目立つ。上陸してみんなに挨拶し、大先輩のお昼ご飯をご馳走になる。風表で抜けていて、日差しがあるのに寒い。コンクリートの地面にべったりと寝転んで、地面の熱をもらいながら、みんなの近況を聞いて回る。蓄熱体質の大先輩も今日は寒そうだ。ほんとにこの時期の暑い寒いは難しい。


のんびりとした昼の時間が終わり、カヤックの中に戻ると途端に暖かい。次はコーヒーの時間に向けて俺の浜に漕いで戻る。ポケモンカラーの舟はばっちりと着こんでいるらしく、ちょっと漕いで暑くなるとすぐロールし、道中コロコロと回っていた。さすがポケモンボール。聞くと、転がる衝動が抑えられないらしい。

そうして俺の浜でのんびりしていると、しばらくぶりのカヤックの体をほぐすいい体操があるというので、急遽先生にしたてあげたメンバーの前にみんなで並び、背中から腰、ふとももの裏までを伸ばす運動をならう。

なかなかバランスが難しかったり、腹がつっかえて「ぐぇ」と空気が漏れたり、十人からのおっさんが浜で体を揺らす。次はチベット体操の先生をしたてあげ、両手を広げてくるくる三回回っていたら、あとから追いついてきた後輩がカヤックで浮かんだままこちらを不思議そうにみている。結局浜にはあがらず、そのまま引き返して帰っていった。

もう日も下がってきたし、コーヒータイムも終わりにしてみんなで入江に戻り、ひさしぶりのパドルセッションはおしまいになった。








2023年3月12日日曜日

20230311 春終わりそう

軽くギックリした腰のリハビリに三浦に漕ぎに行く。茶碗を床に置こうと頭をおろした勢いそのまま、さっと腰を伸ばそうとした、その拍子にギックリした。しばらく大人しくしてたけど、三浦の用事も溜まってて、それをこなしに行く。海況はバッチリ。

三崎口駅に向かう手前の菜の花は盛んだったけど、上の河津桜はもう散って、葉っぱの中にチラチラと赤い点が見えるだけだった。ぼやぼやしていたら一つ春が過ぎていた。

支度して入江に浮かぶ。腰をいたわりながら一とかき、二たかきとパドルを回した。痛めた場所がちょうどパドルを引く時に使う筋肉のようで、痛み一歩手前の刺激がひと漕ぎごとに神経にさわる。それを目印にして、ゆっくりと体をほぐすように、ピリッ、ピリッと腰の後ろに感じながら諸磯までやってきた。

海況は申し分なし。富士山は霞んで、雪の白さだけが薄い色の空に浮かんで見える。ひねもすのたりのうねりが波遊びに誘う。二本ほどやらせてもらって先に行く。

長津呂崎から安房崎までやってきたけど、真っ直ぐ渡るのはまだためらわれたので、盗人狩りを目指して近めに折り返すことにした。

そうしてまた城ヶ島から三崎の堤防をまわり、諸磯目指して漕いでいると、向こうから二艇カヤックが見えた。寄っていって、レジェンドとスリムな先輩に挨拶し、話を聞くと二人は赤羽根海岸先の洞窟の浜で昼にするというのでついていくことにする。

浜では流木を探す。これが用事の一つ。曲がった良い感じの木が欲しい。良さそうな二本を拾って薄い船のデッキの乗せようとすると、レジェンド先輩がそれならハッチに入れて持っていってくれると言う。

簡単にカヤックに納まった流木二本にキャンプの頼もしさを感じる。次は俺の浜に行きたい。何年か前の台風で倒れた木があって、いい感じの枝があったらそれも試したい。 

昼の陽射しが熱くてゆっくりできないので、二人もすぐに水の上で一緒に俺の浜まで漕ぎ通す。腰の違和感はだいぶ消えて。リハビリにカヤックは最適だなあ。

俺の浜について倒木に近づくと、遠目では分からなかった傷みがあった。虫に食われてだいぶスカスカな感じがする。一本、適当な太さの枝を切ったら、芯に穴が開いて使えなそうだ。仕方ないので、また流木で良さそうなのを見つけてそれを持って帰る。


今度のはハッチに入らない長さ。ロープで引いていこうかと思ったら、またレジェンド先輩がコックピットなら入るんじゃ、と試して見たらちょうどすっぽり。自分の足をなんとかねじ込んで漕ぎ出していった。ありがとうございます。


急いで自分の舟を浮かべて追っかけ、三人で入江に滑り込んだら、ちょうど黙祷の時間だった。てんでバラバラの時計ではあったけど、銘々黙祷して舟を上げた。

拾ってきた流木は、自分で今作っている舟に使う。地元の木に見守って貰いながら、春ののんびりした海を皆で平和に漕げますように。

2023年2月7日火曜日

20230205 春が来た

漕ぎ日よりで三浦に出かける。午前中は北風が残りそうだけど、午後は風が落ちる予報。ちょっと朝一人で一周りしてから、大先輩のツアー組に合流するつもりででかける。

最近ダイヤ改正が入って、三崎口でのバスの乗り継ぎが便利になった。コンビニで二十分潰す必要なくスムーズにバスに乗りついでクラブハウスにつく。

支度をして入江に浮かぶと、まだ結構北風が抜けている。どんなもんかと漕ぎ出して堤防を回って海の様子を見る。風裏で風浪は無いけどうねりっ気は感じながら岩場のポイントを目指す。途中風の抜けるポイントをそれなりに頑張って漕ぐけど、今日は汗をかきたくない。

朝出るときにクラブの出艇簿を見ると、大先輩の帰り予定時刻が6時になっている。これは海況によってはのんびり夕日まで楽しむつもりかなと思ったので、できるだけ体をドライに保ちたい。まだまだ夕方になると汗冷えするから。

それでタラタラと漕いで岩場のポイントまでやってきた。もちろんサーファーはいない。だけどカヤックで遊ぶにはちょうどいい具合にうねりが立ち上がってくる。3本ほど遊んだら崩れ波で結局肩までずぶ濡れだけど、一日かけて乾かせばいいや。

そろそろ良い時間で小網代の入江に戻る。ちょうどツアー組が出てくるところで、早速また水に浮かぶ。ビジターさんは古株で、そういえば僕がクラブに入会の申込みをした日に一緒にツアーに参加してた。それからも時々漕ぎに来てくれて勝手に同期に思っている。相変わらずの様子で嬉しい。

総勢7艇で思い思いに漕いで長津呂崎を周り、赤羽根海岸先の洞窟の浜に舟を上げた。時々うねりが入るので気をつけながら、皆無事に乾いた状態で昼休み。

この浜は南以外の風は崖が止めてくれて、日差しもたっぷりあって暖かいどころか、座ってるだけでじんわりと汗がにじむ。車座をしてみんなでたっぷりと熱を体に染み渡らせる。

中に一人、椅子を持ってきたメンバーがいた。ジベタリアンにこの文明的な後輩は囲まれている。その横では筋トレ後輩が寝転がって、寝息がいびきに変わりそうな瞬間に足が軽く飛び上がってまた静かになる。そうして暦の春に変わったおひさまに服をパリパリに乾かして貰った。

帰り道はさらにペースを落としてのんびりと漕ぐ。スリムな後輩と筋トレ後輩は物足りないと見えて、横瀬島まで行ってくると言って一旦分かれた。文明的な後輩ともう一人は早めに上がるというのでビューっと長津呂崎をまわって消えていった。

残り3人で漕ぐとも流されるともつかず、静かな海を過ぎていく。どこに行くでもなく、日がな一日海に浮かんで過ごしたい。そういう気持ちを満足させるために絶好の日だ。

とはいえ、諸磯に入ってちょっと波が立つのを見たら人が変わったように舟を入れて遊ぶ。大先輩も同じだ。ビジターさんも続いてきて、ひとしきり波を待っていたら、横瀬島組がもう追いついてきた。ガンガン漕いだろう。つくなり暑くてロールしてた。それでまた動き出したけど、僕らののんびりペースにはあっという間に体が冷えて、体動かして先に行くという。それを見送って俺の浜までまたのんびりと漕ぎ、そこで舟を上げて日が沈むまで見送った。

さて、日が沈んだらまだまだ寒い。ここまでは頻繁に手を止めてカメラをいじりながらだったビジターさんも一緒になって、普通のクラブペースで漕いでするりと入江まで漕ぎきった。堤防から顔を上げるとちょうど三戸浜の尾根筋の上に満月が見えた。

2023年1月7日土曜日

20230107 三浦七福神

 毎年初めのクラブイベントのミウラ・セブンまわり。集まったのは六人。三崎口の駅で待ち合わせて、大先輩の車で妙音寺に参る。「声をあげるな」という看板がでている厳しめのお寺。階段を上がっていつものお堂に向かおうと思うと、目の前で重機が空き地をならしている。お堂を建て替え中のようで、もっと上に、さらに階段で上がっていってお参りできるようだけど、時間が惜しいので、その階段の上り口に置いてある賽銭箱に投げ入れ、階段に向かって今年の三浦カヤッカーを見守ってもらえるようお願いする。

そしたらクラブハウスに移動して身支度とカヤックの積み込みを終え、出かける前に地元の白髭神社にお参りする。一番お世話になっている神社なので、お賽銭もはずむ。前回来た時に買った手袋は結構売れたと見えて、小豆色の最後の一個があるばかり。それを熱心な後輩が買って喜んでいた。

もう一度車中で菊名海岸でカヤックをおろす。ちっこい後輩が家族で見送りに来てくれた。さらにちっこい子供は支度中のカヤックに勝手に乗り込んでニコニコしていた。大きくなるのが楽しみ。出発の集合写真を一緒に撮って、いざ六艇のカヤックが水に浮かぶと、なんだか子供は泣いてしまった。後輩に抱き上げられて泣いている浜にみんなで手を振りながら、次の円福寺に向けて漕ぐ。少し北風を感じるけれど、冬の東京湾はこんなものか。

風表になる金田の浜は船の出入りに気をつかう。今回は全員クラブメンバーで、誰も沈せず無事に浜にあがり、円福寺にお参りする。帰りがけ、石畳におちた千円札を大先輩が見つけて、落とし主とおぼしきグループに素早く声をかけて、早速徳を積んでいた。

次は剱崎を回って毘沙門の浜にあがり、毘沙門堂にお参りする。白鬚神社についで馴染み深い。横瀬島はいつもの折り返しポイント。浜に戻ってお昼にする。浜には車が何台か止まっていて、そのうちの一人がラジコンのグライダーをふわりふわりと飛ばしていた。

今年は集合の時間が一時間遅い。メンバーのみなのでここまでのペースは良いけれど、お昼にのんびりしてしまうと日没タイムアウトしやすい。年末に洗濯機が壊れたという大先輩の話に、冷蔵庫が壊れたという後輩がさらに乗っかり、花が咲きそうになったのをなんとか堪えて大先輩が出発の声をかける。

ここんところ潮が澄んでいて、東京湾はそれほどでもなかったけど、城ヶ島に向かうにつれてぐんぐん透明度が上がっていく。空は冬の薄い青、風も落ちて絶好の漕ぎ日和の中静かにパドルを回していく。

それで三崎の堤防を回り込み、海外町のあたりで舟をあげた。ここから三崎の街並みを抜けて見桃寺と海南神社をお参りし、ささっとまた海に戻る。これで三時過ぎ。風もないし、完漕の見込みがついた。凪いだ海を滑るように漕ぐ時の心持ちはまた格別。パドルの音もなく船が進んでいく。


だいぶ陽が色づいてきた頃合いに黒崎の鼻につき、左に大根、右にキャベツの畑道を抜けて最後の延寿寺にお参りする。カヤックで来たのがわかったのか、寺の関係者から声をかけられ、以前クラブメンバーだった甲斐性のある先輩の近況を聞かせてもらった。先輩は今年は走って七福神をまわって、三時間半ほどだったそうだ。登り下りのある半島の道をよく走るもんだ。元気そうでなにより。2021年は一緒に年越しサーフできたけど、去年はこれなかった。今年もどこかの波で会うと思う。

そうして黒崎の鼻の浜に戻ると、もう日没がぎりぎり。ちょうど漕いでいる間に完全に沈むだろう。


海上に戻ってお日様をちらちら見ながら、そのうち沈んだら、暗くなる海の底をゆらゆら見ながら入江に滑り込んで舟をあげた。

一年の初めを良い漕ぎでみんなと回れた。今年もたくさん良い海で漕ぎ回れますよーに。

2023年1月3日火曜日

20230103 長者参り

新年の漕ぎ始めに長者にお参りしよう。そうして三浦にやってきた。クラブハウスの前ではボート釣りの人たちが準備をしている。釣り人の朝は早い。彼らが出払ったあとにようやく支度が終わって舟を入江に浮かべる。今日は風が落ちていく晴天の予報で漕ぎ日和。久しぶりに持った自分のパドルが重く感じる。年末のサーフは分割できるカーボンパドルだったし、最近距離漕いでなかったからなぁ。ウルフ号が新しくなってワンピースパドルをそのまま積めるようになったから、今度からのサーフはいつもの自分のパドルで行こう。

そんなことをぼんやり考えながら入江を出て防波堤までやってきた。富士山をみながら箱根駅伝はもう出発した頃だろうなと考える。烏帽子岩のそばで浮きながらテレビ中継に映りたい。それで一呼吸したらとりあえず荒崎を目指す。海況が良いし、名島の鳥居を回ってから長者に参ろう。

荒崎までくると、崩れた岩肌が二箇所、大きく見える。左は稲村ヶ崎、右は長者ヶ崎。逗子の大崎はまだ隠れて見えない。左の岩肌を目指して漕いでいく。淡々と漕いで長者ヶ崎が近づいてくると、柴崎の建物の後ろから少しずつ大崎が見えてくる。目標をそちらに変えて、そのうち見えてくるはずの赤い鳥居を探しながら漕いでいく。

だいぶ近づいてようやく鳥居が見えた。鳥居によって富士山との間に入ってお辞儀をし、くるりと回って祠の下にできるだけ舟を寄せて手を合わせる。岩場の間でそうして少し浮いていたら、葉山の方からカヤックの一群が漕いできた。そのうちの一人がすれ違いざまに名前を呼んでくれて、知り合いなのに気づいて新年の挨拶ができた。今日はいい海ですもんね。

森戸神社の脇の川に少し入ってこちらも水面から社の屋根を見上げて手を合わせ、頭を下げる。これで折り返し。長者まで戻ったら砂嘴に舟をあげ、歩いて薮を抜け、西側の浜に腰をおろして昼ごはんにする。浜からの景色をぼんやりと眺めながら、若い頃の自分に心の中で悪態をついて立ち上がる。

長者のお参りもすんだ。世の中なるようになっている。呼吸を入れ替えてパドルを手にし、穏やかな海を佐島まで淡々と漕いでいく。途中久留和でカヤックの一群が沖から浜に入っていった。佐島のキラキラでは時間をとって、空をみながら寝そべって休憩した。浅い海底は砂紋が幾筋も見える。思えばここまでずっと底が見えている。三戸浜沖も小田和湾も底が見えていた。こんなに透明なのは年に一度あるかないか。漕いでいてとても気持ちがいい。

ここまできたら俺の浜までは一と漕ぎ。さっさかと漕いで浜に上がる。ここでコックピットの荷物を全部出し、海水で中を洗う。前回の年末サーフツアーで砂をいっぱい入れてしまった。奥のフットブレースの発泡スチロールも外して空っぽにしたコックピットに水をいれ、舟を揺らしてから一気に排水する。だいぶ砂が落ちて気持ちいい。諸磯の神社もお参りしようかと思ったけど、南はまたいく機会があるから今日はこれまでにしよう。荷物をもどしてまた水の上に浮かび、のんびりと入江の奥に戻って舟を上げた。

最後に白髭神社のお守りを買いに階段を上がる。正式なお参りは七福神ツアーの時にみんなとやりたいけれど、お守りを買いそびれないように先に社務所が開いている時間に行っておかないとまずい。ここ何年かでついた生活の知恵。ついでに手作り手袋を買ってホクホクした気分でカンカン石を叩いてから階段を降りて今日はおしまい。

新年の漕ぎ始めは穏やかな海だった。今年も安全に漕いでまわろー。