小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ, YouTube チャンネル) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2021年4月18日日曜日

木賊をさがして


暇があればカヤックをしていたいと思うけれど、中々そうも行かないこともある。休日の海況が悪いこともあるし、家のこともあるからそうそう毎日漕ぎにでるのも憚れる。そういう時にも、家の中で少しでも海やカヤックに触れてたいと思ってた。

ある時、お昼に上がって休んでいた浜でぶらぶらしていたら、トコブシの貝殻がとてもきれいなのを見つけた。それで、自分の指輪から貝のパーツがいくつか抜け落ちているのを思い出した。

ぐるりと20個ほど三角形に切られた貝が嵌めこまれているうちの、数個がなくなってた。ちょうどいいやと、最初はアワビの子供だと思っていたトコブシの殻を持ち帰り、割って削って形を合わせ、欠けた場所にはめ込んで、満足した。いつでも三浦の海を身に着けていると思えるのは悪くない。一つ、また一つと嵌め込んで、都合半分程はもう三浦のトコブシに置き換わってきた。


その次は、正月の三が日に、割り箸を捨てるのがもったいないような気がして、見様見真似で適当にカヤックのミニチュアを作ってみた。それにちょっと興が乗って、伝統的なグリーンランドカヤックの作り方を調べ、それを真似て  1/10 のサイズでもっとちゃんとしたものを作って見た。

子供の頃には、図工が嫌いでしょうがなくて、作品を完成させたことなどついぞ無かったのに、歳をとって気が長くなったのか、ちょっとずつ作業を進めて完成にたどり着くことができるようになったようだ。


ミニチュアを大先輩に見せたら、削りかけのグリーンランドパドルがそのままになっているのを、大先輩が僕にくれた。その材は作りかけの途中に誤って折っちゃったけど、一本、ちゃんと完成したいと思ってホームセンターで 1200円の米松を買ってきて作ってみた。これは中々思ったような重さと出来栄えが難しく、次の、またさらに次のと作って、今の所片手の程の本数を作ったけど、まだまだ作ると思う。折っちゃった大先輩の材はその後、うまく他の材を組み合わせて一本のパドルに仕上げられた。どこかに引っかかってたトゲが抜けて良かった。

まあまあ良くできたと思えるようなパドルには、雪月花をテーマに、月だったり桜の花だったりを、これまた三浦のトコブシの殻で螺鈿をして勝手に満足している。まだ雪をやれていないので、次こそは雪で作ろうと思う。


そうして、鉋やノミを研いだ砥の粉がでたり、木のクズが溜まってきたりすると、どうやらこれで金継ぎができるようだと気がついた。

漆を買ってきて、自分の気に入ったぐい呑や茶碗の欠けを繕って、だんだんと金継ぎの道具や材料が増えてきた。

漆の表面を研ぐのに、いろんな方法がある。近代的な方法としては耐水ペーパーが思いつくけど、これは器の表面に傷がつく。器に優しいのは、じつは伝統的なやり方の炭や木賊のほう。炭でいくら器をこすっても、釉薬のガラス質の表面は傷がつかず、漆だけを見事に研げる。

もちろん、研ぎ用には最高級の駿河炭というのが売ってはいるのだけど、ここでも三浦の浜が活躍した。浜で砂をザラザラと手で掬えば、炭の屑がいくらでも見つけられる。ちゃんとしたものではないけれど、別に自分の器を直して悦に入っているだけだから誰も困らない。

ところが、炭だとちょっと研ぎが荒いので、木賊のほうが細かく表面を仕上げられるらしいと知った。なので、次は三浦の浜で木賊を探そうと、晴れた大風の日に三浦のあたりをぶらぶらしている。

カヤックが今の所、螺鈿、ミニチュア作り、木工、金継ぎと流れてきている。この風が吹いたら的な繋がりを、なんとかカヤックに戻して循環させたいのだけど、木賊の次がどうなるか先は見えない。見えないながらも漕いでいれば、次の岬を一つずつ越えて、そのうちまたカヤックに戻るかな。

2021年4月17日土曜日

20210415 房総サーフ

世の中の波を交わしつつ、近場で少し足を伸ばす。東京都はかわしつつ、大先輩の車に数人で乗り込み、平日の道路をレッツゴー。

風と波の予報は結構強くて高い。久しぶりのサーフ行であるし、薄い舟を持ってきてもらっていたから、ちょっとビビりながら、でもワクワクしながら、みんなと海の様子を予想しながら車は進んでいく。

目的の浜についてみると、思ったほどは波がない。うねりはきれいに入ってくるけど、九十九里側はクローズというのとは違った様子。サーファーやSUPの人たちも陸から眺めて、波が上がるのを待っている様子。これから潮が下がるのを期待しているようだ。

カヤックは、海で浮いてる分には暖かだから、すぐに支度をして海に浮かんでいくらでも波を待てる。目の前の海は、色がはっきり2つに分かれてる。底が砂の半分は色も明るく、気持ちよく乗れそう。もう半分は底が岩で春の海藻が立ち上がり、水面に流れて色が黒い。どんどん漁師が入ってきてワカメかなにかを採っている。こちらのほうが波はいい。

大先輩は漁師がいる波の良い方に漕いで行くので僕もついていく。波がきたきたと思ってパドルを差すと、からまる海藻に掴まれる春の風物詩。後から入ってきたSUPの人たちが海藻エリアまでやってきたけど、あまりおもしろく無かったようで、明るい方に戻っていった。

潮が下がりだし、そこからまた上げ潮に転じて、いればいるだけ波が良くなってきた。このころには、サーファー、SUP、漁師、全員あがって僕らだけになった。午前中は波を待つ感じだったけど、今は待つ暇がない。長く乗って戻ってきたら、すぐに次のがやってくる。結局、大先輩が上がろうと言うまで、用足に一度浜にあがっただけでずっと遊んでいた。都合五時間くらいか。

他のメンバーもめいめいの場所で波を楽しんでた。一緒に沈脱して浜に打ち上がってた二人は一番の敢闘賞だねーと、帰りの車中でにぎやかに失敗を分かち合う。世の中の波もまた次のうねりが来始めているようだ。ピークをうまく交わしながら、隙間を見つけて楽しもうと思う。

2021年4月9日金曜日

20210409 横風チャレンジ

そういえば、今年はまだ森戸神社まできちんと行っていなかったと思って漕ぎに行く。午前中はまだ北東よりの風が続くので、横風チャレンジにちょうどいい。最近、横風の中苦労することが多い気がする。

もう桜は全部散った。日差しには熱がこもり出したけど、海の上を吹いてくる北風はまだ冷たくて、冬のさり際を感じさせる。晴れた空の下、向かい風を漕ぎ上がり、荒崎。風がまだまだ強いので、ちょっと長井沿いに中まで入ってから小田和湾を渡る。

期待していたうねりは全然なく、ちゃぷちゃぷの風浪を突いて長者を目指す。波遊びができないのを確認したら、またパドルに力を込めて名島の赤い鳥居を目指す。このエリアは平日というのににぎやかで、SUPと何回も行き合う。

鳥居について北側に回り、その先の大崎と稲村ヶ崎を見る。大崎でも波はないだろうなあ。目をこらしても、何の盛り上がりも感じない。さっぱりと諦めて森戸神社脇の川に滑り込む。そこから神社を見上げて三浦のカヤッカーの安全を祈る。もちろん僕ら自身も精進して安全航海に励みます。

年明けの恒例がやっとすんで、岸沿いをのんびり帰る。小田和湾も中まで入り込んでぐるりと岸沿いに。湾の奥の停泊エリアでは、ヨットが一艘沈んでいて、水面からマストの先端が数メートルほど突き出ている。その先端からはられたワイヤーが何本か、広がりながら水面下に消えていく。乗られなくなった船というのは物悲しい。ワイヤーをくぐって挨拶をした気になって、それで荒崎を回って帰っていった。

週末はちょっと漕げないけど、平日にまた房総のツアーがある。薄い舟でどこまでやれるか、挑戦してみたい。

2021年4月3日土曜日

20210403 灯台めぐりとカヤックホイホイ

土日のどちらかは天気が悪いイメージ。良さそうな土曜に漕ぎに出る。今日も筋トレ後輩と。うねりがありそうなのでまた波回りをしたいなあと北方面に。

先にでて近場のポイントで様子を見ながら後輩を待つ。前回ほどではないけれど、うねりははっきりとある。後輩と合流して佃に。サーファーがいないうちに数本乗って荒崎タッチの亀城礁まで。

今日はあとから何人かメンバーが出てきそうなので、みんなとの合流を目指してここで折り返す。亀城の灯台から北をみはらしてから沖アジロを目指す。

亀城から見る沖アジロは、おもったよりも左にある。ほとんど三崎の堤防にかぶるくらい。水平線のヨットの群れの中に沖アジロを探して見つかるわけもない。

沖アジロから諸磯を目指しながら、キョロキョロとみんながいないか探す。結構カヤックがちらほら漕ぎ出していて、お、と思って空振る。

諸磯灯台から今度は安房崎を目指し、長津呂崎のうねり波を楽しみながら漕ぎ進む。城ヶ島灯台の次は馬の背あたりから安房崎灯台を眺め、でもみんなの姿が見えない。ここいらで引き返す。

帰り道、たくさんのカヤックをみた。グループで漕ぐカヤックがいくつも。いよいよ暖かくなってきた。それでも、どれもうちのメンバーじゃない。なかなか珍しい。

俺の浜まで戻って休憩した後、近場のポイントに弱く波が入っていたので、そこで後輩と少し遊んだ。後輩はいいのに一本乗ったところで沈脱し、ちょうど良い訓練になったというところで区切りとして、入り江に戻ってプカプカ浮いてた。

春の干潮はすごい引く。浅い干潟の底をみながら浮いて雑談をしていたら、急に声がして目をあげた。そしたら、4つのカヤックに囲まれて、アザラシだったらしとめてたとからかわれる。やっとみつけたうちらのメンバー。ほんとに静かに話していたのに、全然気づかなかった。

そのメンバー達のあとから、続々と別のグループも入り江に入ってきた。お高いファルトも何艇もあるし、見慣れないカラーリングの艇もある。カヤックホイホイというか、定置網にかかる魚のようにカヤックが入り江に流れ込んできた。

日曜は午後から天気が崩れそうな予報、暖かくなった好天の土曜、みんながでてくるのもわかる。気温は上がるけど水温はまだ低く、強い風がふく時期が続く。みんな気をつけてご安全にー。















2021年3月30日火曜日

20210330 北方面行脚

平日、これまた良い海況、プラス、うねりが入ってそう。ちょうど都合があったので、筋トレ後輩と漕ぎに出る。

少し早くに出て、近場のポイントで一人だけ肩慣らし。はっきりとわかるうねりが来ていい感じ。何本か楽しんでるうちに後輩が来たので、北の方に足を伸ばして波のポイントを回る行脚に出る。

後輩は腹筋を強く使ってしっかりと上体を回し、トルクのある漕ぎでぐいぐいといく。WFKのゴリラが好きでいつも乗っているけど、これでスピードを乗せられるとちょっときつい。横風があると、僕の薄い舟のほうが風見がでやすいので、ゴリラの筋トレ速度にあわせようとすると、常に片側だけ漕ぐことになる。ストームパドルも、横風が強くて持ち替える必要なんかない、片側だけ漕ぐ状況のパドルなんじゃろうか。

それも丁度よいトレーニングだと言い聞かせて頑張って漕ぐ。小田和湾を渡り、長者までずっとそんな感じ。

ここで波チェック。後輩にはプカプカ浮いていてもらって、長者のポイントで SUP に紛れて数本気持ちよく乗れた。

そのまま折り返して、帰り道は岸ベタで波をチェックしながら。長者の南側のすぐの浜でも岸壁に向かってきれいに波が立ってた。行った先が浜じゃないので、SUPは嫌うのかもしれないけど、ここが一番波が良かった気がする。

そこから浜沿いに南に進みながら、SUP のいるところで一本のり、その先のサーファーがいるところではパスして沖に戻って後輩と合流した。

ここまで上陸なしなので、立石で上がろうかと漕いでいき、立石の浜に入っていったけど後輩は沖でプカプカ浮いている。戻ると、まだ少し漕げそうだから荒崎までというので、佐島のキラキラまで漕いできた。

今日のうねりはいい感じに回り込んで、キラキラにも弱い波を送り込んでくれている。下は砂地で浅いし、波の速度も遅いしで、後輩も波遊びにチャレンジ。スーッと舟が走る感覚を何本か楽しんでた。


ひとしきり遊んだので、荒崎で休憩しようと漕ぎ始め、いざ荒崎の小さな浜にあがろうとしたら、後輩がまた沖でプカプカしてる。もうちょっと先までというので、佃にまでやってきた。

ちょっと浅くなってきたけど、ちょっといい感じに波が入ってる。楽しく何本か乗ったら、浜からサーファーが二人、ポイントに出てきたので諦め、進むことにした。

じゃあ次は黒崎に休憩ポイントを狙って漕いでいったら、また後輩は沖に浮いて浜によってこない。ここまで来たら、俺の浜までいくというので、結局上陸なしで帰ってきてしまった。

後輩曰く、浜に上がって寝そべった瞬間、助かったーと思ったらしい。自分でグイグイ漕いで、先へ先へとゴールをずらしてきたのに面白い言い分だなと思ったけど、飲まず食わずで30km近く、いいペースで漕いできたらそらそうだろう。

後輩が休んでいる間、近場のポイントで波遊びをしていたら、手広くやっている後輩もやってきた。ソロで赤羽根海岸目指して漕いできたけど、うねりがすごくて長津呂崎で引き返したそう。

上げ潮で、だんだん波は良くなっていくようだ。穏やかな波だけど、何本か長く楽しんで、浜で休んでいる後輩もピックアップして、三人でのんびり堤防をまわって舟を上げた。

平日というのに、どこのポイントもSUP、サーファーがいて波乗りに余念がない。逗子あたりまでは足を伸ばせなかったけど、にぎやかだっったんじゃないか。そっちのほうがいいポイントだから、みんなどんどん北にいって、南はひなびた感じがいいなあ。

2021年3月27日土曜日

20210327 桜の咲く頃に

昨日に続いて今日も良い海況の予定。小網代のうぐいすは年中鳴いているけど、春の盛りに聞くと一段と良い気がする。


クラブハウスの支度中に筋トレ後輩とNZ先輩と一緒になり、剣崎まで足を伸ばすことにした。

昨日に続き、風無く、波無く、ノタリの海。とはいえ、長津呂崎を回ったあたりで筋トレ後輩がグイグイとペースをあげ、のんびりした漕ぎから一変。

後輩は暑いとギヤが落ちるけど、向かい風で涼しい風が吹くと俄然漕ぐ。この日も北東の春の風でだらりとしてたのが、城ヶ島の南に入ってからいつものパターンだ。

そのペースで安房崎を過ぎ、剣崎を過ぎ、雨崎まで来てしまった。先輩と僕はヒーコラ言いながら着いていく。

雨崎は春の様子で、浜で密になって写真を撮り合っている幾人かがいた。パドルの手は休めず、遠巻きに沖から横目でチラチラ見ながらの帰り道。

東京湾からの帰り道、ここまでは漕ぎっぱなしで、何かしら腹にも入れないとね、ということで、赤羽根海岸近くの小さな洞窟をくぐった浜にあがった。そして、後輩はコロッケパンを鳶に引っ掛けられる。手には傷がつかなかったので、良しとしよう。

気を取り直して帰り道、網代崎を見たところで大先輩たちが北から帰ってきたのが見えた。湾に入って合流し、入り江の奥の桜を一通り見回ってのんびり舟を上げた。

人がいっぱいの満開の桜が懐かしい。花が咲くだけじゃ気分がしない。きれいだねーと、お互い喜び合う人の集まりが花見なんだなと思う。桜は毎年きれいに咲いてくれるから、人の踏ん張りと知恵であともうちょっと。その時が楽しみ。

2021年3月26日金曜日

20210326 鯛の牙

今年も世の中の物事がいろいろ重なってうねりを作ってる。また一つ季節が進んでだいぶ暖かくなった。そろそろドライを脱いでもいいかなという陽気だ。

平日にクラブハウスに来てみると、ボート釣りの人が何人か支度をしている。あれー、土曜日みたいですね、お互いニヤニヤしながら声をかけ、準備が済んだ人から海に出ていく。

薄い舟を浮かべて乗り込み、入り江を滑り出す。冬の澄んだ潮からは時期が進み、春のトロンとした色が出てる気がする。

堤防を回って外に出ると、のたりのたりとした海。空も春霞で、富士山はぺったりした空気の向こうに塗りつぶされた。

風は朝から夕方まで一日弱いままの予報。一瞬昼前に南が強まるかもしれないけど、どこまでも漕げそう。よし、北の名島にお参りに行こう。

とことこ漕いで、荒崎まではできるだけ岸寄りに。そこからは長者目指してどーんといく。ついた名島のまわりは海藻がわさわさしてて、浅い岩場を覗き込んで回った。

名島から向こうに江ノ島が見える。ぷかぷか浮かびながら手を合わせて引き返し、長者の砂嘴で一休み。

帰り道は岸沿いで、久留和の浜の色や、佐島のキラキラで目を楽しませながら、荒崎を回って堤防まで帰ってきた。

ひょっとみると、堤防の付け根の砂浜で、遊び上手の先輩がロール練習をしている。近づく間見ていると、熱心に何度もくるくる回ってる。まだ水は冷たい。

静かに後ろから近づいて、沈した瞬間に横につけ、上がった瞬間に挨拶をすると驚いてくれた。しめしめ。

話を聞くと、ゴーグルをしているとヌメーっとゆっくりしたリズムであがるんだけど、ゴーグルなしだと、ついついスパッと上がってしまうんだそう。ゴーグルなしでもヌメーっとやりたくて、体に染み込ませてるのだそう。

確かに、基礎がしっかりとしていないと、ショートのロールでゆっくり上げるのは難しい。パドル面が動いてのサポートが減るから、他の要素がちゃんとしていないと安定して上がらない。

とはいえ、先輩はそのへんの要素はばっちしなので、あとは気持ちの持ちようだけですよね。

体が冷えたので、戻りましょうかと漕ぎながら話を聞くと、キング先輩も漕ぎに来ていて、油壺入っていくのを見たそう。あそこでのんびりするのも良いよね。

仕舞支度は釣りの人、カヤックの人がまじりながら、明日土曜も海況はすごく良さそうなので、また明日きちゃいます?なんてジャブの打ち合いをしながら。

釣りの人でも一番馴染みがあるお兄さんは、真鯛、メジナ、アカハタ、オウモンハタを持ち帰る。そのお兄さんに思い切って、鯛の歯を貰えないか声をかけた。

自分はここ一年、金継ぎをしているのだけど、蒔いた金粉を磨くのに、鯛の歯がとても具合が良いみたい。鯛牙とも言われ、棒の先につけた鯛の歯で、金粉の表面をなでてやるとピカピカになる。ほかにもガラスや瑪瑙も使われてるようだけど、三浦の地元の鯛で作れるなら嬉しい。

このお兄さんは、魚屋で売ってるアラなんか目じゃない大きさのサイズをいつも持って帰っているので、もし捨てるならと事情を話したら、今日釣った鯛から前歯の部分ゴリゴリと切り離して僕にくれた。ありがとう!今年も一年、漁に恵まれますよーに!

家に帰って一番大きい歯を一本、丁寧に切り離して棒の先にくっつけ、手元の試し塗りの銀粉を磨いてみたら、すぐツルツルになった。


桜の咲く頃に釣れた三浦の桜鯛、ありがとー。

さて、また明日も良い海況。陽気に誘われて漕ぎに行こう。