秋分を過ぎ、日もいつまでも長くない。工房を少し早く開けてもらい、できるだけ早いフェリーに乗ろうと出かける。それで高速バスを使ったらアクアラインがはや渋滞してて少し遅れ、駅の階段を駆け上って予定の電車に飛び込む。
カヤック作りには厳しいが性根は優しい大先輩が工房を開けてくれていて、礼を言うとさらに途中まで同行してくれるという。地元の人と漕げるのは心強い。
支度をして早速浜から出発。道端ですれ違った漁師さんに今日は風の向きで凪だ、いい海だと声をかけて貰う。幸先がいい。
狙い通り追い風の風裏。先に出てた大先輩が撮ってくれた。でもうねりが残っててバウが沈む。8時49分。
磯根崎を一緒に回り、波の立つ場所を教えてもらう。今日はそれほどでもない。金谷で上げる浜も落ち着いてるかな。
観音様の下あたりまで来ると、竹岡の先あたりの岬が見える。海はべったり凪で、大先輩は真っすぐ行っちゃいなよおと煽る。いやいや、出し風で沖出しはイヤっす。
とは言え伴走してくれているので、べったりではなく上総湊の浜を狙って漕いでいく。まだまだばっちり風裏ですいすい進む。
大先輩は帰りは向かい風になるので、舞子の浜沖あたりで戻るという。それではと挨拶して別れたらこここらはソロ。浜寄りにコース取りを変えて進んでいく。観音様の崖が終わって浜になるとやはり風が抜ける。
そうして上総湊の橋が近づいてきたらちょっとコース取りを思案する。このあたりからなら追い風真っすぐで漕ぐと竹岡のまで沖を真っすぐ行ける。
でも風が抜けて強まるだろうし、追い波も出てくきそう。デッキに荷物あるし、やはり予行漕ぎと同じようにちゃんと岸ベタするか。でも早いフェリーに乗りたいし、ショートカットしたいなあ。
決めかねて漕ぎつづける間、ふんふん鼻歌が出てくる。最近有線でかかる流行歌など歌いながら気に入ったフレーズで考えがまとまる。よし、間を取って地蔵浜あたりを目指そう。きっと大丈夫、葛藤のど真ん中を行こう。
ずんずん漕いで浜が近づくとここは風表。右からは風の波がデッキに洗うようになってきた。面白い。岸に沿って左に回り込んで南を向くまではしばらく風波で揺られながらの漕ぎ。
そうして進み、フェリーが見える頃にはもう波はなくなっていた。それでほっとしながらぺったりした金谷の浜に滑り込んだ。時計を見ると12時25分のフェリーに楽に間に合いそう。追い風様々。
乗り場の人たちもカヌーの持ち込みに慣れてきたようで、すんなり長さを測って乗船券を買えた。フェリーの中では腹ごしらえとペットボトルの補給。それが済んだらデッキに出てまだ遠い海獺島方面をガン見する。
竹岡あたりの風表の波でだいぶ自信はついてきたけど、久里浜の堤防越えるまでが今回の最大の難所だろう。何しろ岸壁だけで上がる場所がない。ザブザブデッキに水をかぶりながらの30分間を予想して緊張する。まあ、でもだいぶ北東の風も弱まってきたし、早いフェリーに乗れたし、行っちゃいましょう。小潮だしね。
やっぱり久里浜は手強い。これだけ良い海況でも風表はガチャガチャ波が立つ。それでも堤防を回ってお日様を向いたら平和な海に変わってくれた。緊張がほどける。するりするりとパトルを滑らせてテトラの列に入ったらもう安心。
緊張がとけて喉が渇く。堤防回ってからから野比の浜までで麦茶のペットボトルが1本なくなった。ホームの浜に舟を上げて荷解きをし、日のあるうちに余裕を持ってゴールできたので、少しロールして体を冷やす。まだ喉が渇く。
後はカードを引いて家に帰る。明日はいよいよ小網代だ!
参考 浦賀水道の中央
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