小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にカヤックを漕いでいます

2026年3月28日土曜日

20260328 花を見て水を見て風を見て車を見て

 大先輩のツアーが走水まで漕いで桜をみようというもの。自分もかねてより、自分で漕いで走水の桜を見に行きたいと思っていた。よく自転車で出歩いていた頃、馬堀海岸から南に走って古いトンネルを抜けると、満開の桜とその向こうに広がる海に目を奪われた。散る花びらに突っ込んだ景色が残っている。

あまり自転車で遠出をしなくなったけど、今度はカヤックでその桜を見にきたいと温めていたプラン。分割艇で出るために朝イチで動いた。それで野比の部屋について見渡すと、カートがない。思考がとまるとはこのこと。あきらめるか、大先輩にツアーに向かう車でピックアップしてもらうか、無理やりに頭を回して選択肢を出していく。結局は腹を括って全部かついで浜まで持っていくことにした。分割艇なのだからそれができる。当然だ。


一切合切を背負って道を歩き、浜について芝生で艇を組み立てる。部屋の前でやるか、ここでやるかの違いだけで、時間は同じはずなのだけど、なぜかいろいろ手間取って舟を出すのがだいぶ遅れた気持ちになる。

帰りにまた全部かついて戻るのは億劫だけど、逆にこれができたらおでかけのハードルがまた一段下がる。いざという時も、どこでも舟を畳んで電車に乗れると安心感にもつながる。そんな言い訳を自分にしながらパドルを回して久里浜の堤防を北に回り込む。右から金谷からのフェリーが見えたので少し待ち、オオツカネの浮標についたらそこからタタラ浜を直線で目指す。この辺からホンダワラみたいな海藻が水面を凪いでるのが増える。東京湾は水が豊かだなあ。

タタラ浜についたけど、浜は空っぽで白くピカピカしてる。大先輩はどこから舟をだすのかなと見回していたら、オレンジのカヤックを積んだ車がスピードを落とさず右に消えていった。観音崎から出すのだろうと先に進んで観音崎の浜に舟を上げた。

駐車場に歩いていくと舟をおろして支度をしているツアー組に合流できた。挨拶をして舟を浜まで運ぶ。そうして総勢八艇ほどが東京湾に浮かぶ。ここから走水まではすぐだけど、なんだか漕いでいて楽しい場所。橋をくぐって走水の漁港に滑り込むのは旅に来た感がある。

まだ三分咲きかなという桜を見ながら公園のはじまで漕いで舟をあげ、公園に入って桜を見あげるように陣取る。二本ほどあるだいぶ咲いた桜の木を向こうに見ながらコンクリの壁に背中をあずけ、ぽかぽかしながらお昼を食べる。ちょっと立って咲いた枝の下までいき、振り返ると花の向こうに松の緑と海空の青。これこれ。

昼を終えて舟に戻る。旗山崎を回るところのキラキラの砂浜は水が綺麗。南国感をたっぷり味わう。東京湾側はタタラ浜、燈明堂、ここといい水の色を楽しめる場所がたくさんある。花の色、水の色を見て、うきうきしながら漕ぐ。

とはいえ午後からは南風があがる予報で、旗山崎をまわると向かい風をしっかりと感じる。大先輩が心配してくれて一緒に車で帰れますよと声をかけてくれた。ありがとうございます、タタラ浜でどうするか決めます、と言ってサクサクとみんなで漕いで行く。


観音崎を回り終えて南を向くとまあいけそうな風と波。ここで小休止のみんなに挨拶をしてソロで久里浜の端を目指して漕いで行く。風はあるけど進みは早いようだ。これはもしかして下潮に乗れてるのかもしれないと思いながらすいすい漕いでオオツカネをまた過ぎる。フェリーは見えないのでそのまま通過し、久里浜の堤防の先に浮いている黄色いブイまでついた。ブイの側で舟を止めると、結構な南風を感じるのに舟はブイのそばから動かない。その分潮が風に向かって押してくれてるんだなあ。

さて、気を引き締めて潮波にまっすぐ乗って堤防の端を越える。向かい波を受けながらちょっと進んで堤防の南に出たら、堤防から離れたところを向こうのテトラに向かって漕いで行く。だいぶ三角波でゆられる。南風はここがいちばんのやっかいどころで楽しい。ほいほいとテトラの内側にすべり込んだら一安心。大先輩に携帯で居場所を連絡し、あとはのんびりと漕ぐ。

途中、海岸沿いの道路でクラクションが聞こえた。見上げると大先輩の車が通り過ぎていった。またパドルを上げて返事を返し、そのまま進んで出発した浜に舟をあげた。ちいさいけど一つの旅を無事に終えた満足感がある。あとは舟をバラして、また担いで、部屋まで戻って片付けて、お家に帰るまでが旅行です。あー、楽しかった。海辺の桜は花が咲くのが遅めなのか、来週もまた楽しめそうだ。