海況がいい。予行演習ということで、分割艇で千葉の工房から三浦まで漕いで帰るのにいいチャンス。
朝電車を乗り継いで工房についたら、置かせてもらっていた分割艇を組んで準備する。先にもう浜に出ていた何人かに挨拶し、海に浮かぶ。思ったよりも風があって、海の上は涼しい。陸の上での準備中ダラダラでてた汗がスッと止まる。とは言いえ猛暑日の予報だしソロだから、ペースを落としてのんびり漕ごうぜ。
水に浸かって涼んでる人たちに手を振って南に漕ぎ出し、堤防回って次の岬を目指す。この磯根崎から続く崖の景色は漕いでて気持ちがいい。途中の浜でカヤックが3艇ほど上がって休憩してた。どこの人達だろう。会釈してそのまま岸べたで進んでいく。
景色はガスって、と言うかスモッグ?向かいの竹岡あたりの岸がうっすらとしている。三浦半島はちょっとも見えない。本番に合わせてしっかり岸ベタに上総湊を過ぎる。何度も水に浸かりながら歩くように漕いで行く。
いよいよ金谷のフェリー乗り場が見えてきた。ちょうど久里浜行きのフェリーが出ていったのでそれを見送ってから航路をまたぐ。大体1時間おきに出航してるから、カヤックを上げる場所まで漕いで歩いて乗り場まで行って、次のフェリーに乗れるかなと気が焦る。ともあれ、すんなりフェリーに乗れた。船室のクーラーは寒いから、外で湖風に当たりながら、カヤックの近くで時間を過ごして休む。
フェリーのデッキにいるととても風が強いけど、風波は立ってない。弱い風でも船に横から当たった空気が通り道を探して強く抜けるんだろうか。海獺島近辺は静かなので、久里浜から家のそばまで漕げそうだ。
それにしても三浦側はさらに視界が悪い。久里浜に着いたらカヤックを引いて下船して浜まで歩き、そこからまた漕ぎ出す。ゆっくりゆっくり。ここまで汗はかいてると見えて、フェリー中のトイレは濃い琥珀色のがチョロっとトイレで出るだけだった。
久里浜の灯台を過ぎて外に出ると、またフェリーが入ってくるところだった。僕が着いてからもう小一時間たったということか。フェリーが過ぎるのを待って航路を渡り、発電所の岸壁そばを漕ぐ。堤防に守られて南からの波には静かだけど、万一の際に上がる場所がない。久里浜で航路渡ってから、発電所の堤防の南側を漕ぐ3キロ程が一番厄介だなと思う。ま、堤防は最悪上がれるか。
そんな事を考えながらパシャパシャ漕いでテトラの終わりまできた。ここは多分発電所からの排水があるところだと思う。途端に水温が上がって周りの空気に熱がこもる。風呂場に居るみたい。ロールしても冷えないなこりゃ。蒸し暑い中をしばらく漕いで、野比の海岸が近づくとやっとまた水温が下がった。目当ての浜に上る前に脱ってカヤックに足を引っ掛けて、浮いたまま体をしばらく冷やす。浜では学生さんがグループで水遊びしている声が聞こえる。芯まで冷えることはない水温で、いつまででも浸かってられる。本番はもっと暑いのかなあ。
それで舟を上げてカヤックを片付け。もうちょっと電車で家に帰った。これで東京湾一周した事になる。と言ってもカヤック漕いだのはほんの20キロちょい。殆どは電車だけど、なんか面白い。
本番の参考のため、風速の記録を貼っておく。